「ズキューーン葵ロケット」打上成功!
2013年8月25日(日)11:30頃、「ズキューーン葵ロケット」は打上に成功しました。恐らく、日本最初の女子高生型ロケットの打上成功でもあります。
ご声援いただいた多くの皆様、および許諾をいただいた東映AG・東映ならびに番組関係者の皆様に深く感謝いたします。みなさんのおかげで、葵ちゃんが空に舞いました。
なお、この打上は、東映AG・東映様の許諾の基に行われており、当記事内の画像、動画の複写ならびに当ブログ内以外での表示・上映は厳禁いたします。
他の方にご紹介いただく場合は、当ブログ記事のURLをご紹介ください。
それでは、打上の様子を記事でお楽しみください。
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打上の概要
「ズキューーン葵ロケット」は、東映TVドラマ「非公認戦隊アキバレンジャー」の劇中アニメ「にじよめ学院ズキューーン葵」の主人公、市川葵の形をしたロケットです。(「ズキューーン葵ロケット」本体の詳細については前記事をご参照ください)
打上は2013年8月25日(日)秋田県能代市浅内第三鉱さい推積場(能代宇宙広場)で行われた、「第9回能代宇宙イベント」の中の「大型モデルロケット公開打上」で行われました。
「ズキューーン葵ロケット」は、打上げ後、上空でパラシュートを開くと同時に、「デフォルマイスターぷち:市川葵」を放出します。放出された「ぷち葵」はストリーマーというパラシュートに似たものを使って、安全に地上に降下します。
また、この様子を「ズキューーン葵ロケット」に搭載したカメラで記録する予定でした。
打上では、パラシュート開傘、デフォルマイスターぷち:市川葵分離、本体の回収、ともに成功しましたが、搭載カメラが空中または回収時に脱落し、再調査を試みましたが、打上げ直後に会場を襲ったゲリラ豪雨による増水の為、回収地点に再度近づくことができず、カメラの捜索・回収、および分離したデフォルマイスターぷち:市川葵の回収を断念しました。
打上関連の動画等を以下に記載します。
まずは打上の瞬間の動画から
打ち上げの瞬間の動画です。あっという間(最高時速194km、最高高度170m)に上がってしまいますので、次はほぼ同じ所からの高速度撮影(1/8スロー)の動画です。
高速度撮影(1/8スロー)動画
私の持っている高速度カメラの解像度が低いので、この動画のみ全画面・拡大表示はご勘弁ください。
メインの映像について
この後でご紹介する「射点カメラからの動画」が、ロケット的にはメインの映像になります。
元画像は、発射から、パラシュート降下まで1つの映像で捉えられていて、ロケットの映像でも滅多にないことです。(葵ちゃん的には、カメラ位置の関係で背中しか見えていないので残念ですが。)
ただし、ネットにアップロードする段階で変な圧縮がかかるようで、こちらに掲示した動画では全行程を見ることができないようです。すみません。
「射点カメラからの動画」を見る時の参考に(軌跡)
ロケットは上空に上がると非常に小さくなるので、元画像でも22~23インチのフルハイビジョン以上のモニターで全画面モードにして、やっと1ドットぐらいです。
全行程は多分見えませんが、ロケットを噴射している間と、最後のパラシュート降下は見れるかと思います。
トレースしたわけではないので正確ではないですが、およそ上の写真の赤印のような軌跡になります。右端から斜めに上がったあと、中央より少し左をまっすぐ真下に下がってきて、最後はパラシュートで右に流されて降下します。パラシュート降下はかなり小さいので、全画面にして、右下隅にご注目ください。
「射点カメラからの動画」を見る時の参考に(拡大映像)
参考までに、パラシュート降下の拡大図です。ネット上の動画は圧縮のために少しボケていますが、右下のランチロッド(ロケットを打上げるための棒)の左側におよそ写真のような感じで見えます。2つある白い点のうち左上がパラシュート、右下がロケット本体です。それでは、動画をご覧ください。
射点カメラからの動画
ちなみに「射点」というのは発射地点、ロケットを打上げる所です。さきほどお話したランチロッドの所です。
「広域動画」を見る前の参考として
全体として、いったいどれぐらいの広さの所で、どれぐらいの高さに打ち上がっているのかという事の参考の為に、もう一つ動画をご覧いただきます。これもネット上の変な圧縮のために、ロケット噴射の間と、最後のパラシュート降下から着地の所くらしか見れないと思いますが、上の写真におおよその軌跡を示します。左から上昇して、右側に降下。ケシ粒ぐらいに見えるのが人間です。
広域動画
最大限に拡大
固定カメラでは、結局、ロケット本体とパラシュートの様子をきれいに捉えることはできません。画像処理ソフトで最大限拡大したのが上記の写真です。
左上がパラシュート、右下がロケット本体です。下の暗い部分が羽根の所、白い部分が胴体、上の暗い部分が顔の所です。
ロケット本体でもこうなので、もっと小さい「デフォルマイスターぷち:市川葵」の分離は、とても固定カメラでは見えません。
もう一つの方法として、「追従」、つまり、飛んでいくロケットを追いかけてズームする、という方法がありますが、これが出来る技術を持っているのは、能代でロケットを上げている学生さんたちの中でもごくわずかで、少なくとも自分でロケットを打上げながら「追従」撮影を行うのはほとんど無理です。
搭載カメラの顛末
そこで、「デフォルマイスターぷち:市川葵」の分離・降下を撮影する為に、ロケット本体にカメラを搭載していました。写真の金属のところに、リングで接続していたのですが、空中または、回収の際に脱落したものと思われます。
写真で見ると、根元の部分がささくれ立っているのですが、空中でこのような力が加わることは考えにくく、恐らく、回収の時に、草に絡まった本体を「エイヤッ」と引き抜いた時に脱落した可能性が高いと思います。
これは私のミスで、回収の方に「このミッションでは、何が一番重要か」という事を伝えていなかった事によります。東映の方には「ズキューーン葵ロケット」は今回一回限り、ということで許諾をいただきましたので、本体は回収してもその後に使い道のないものでした。
そこで一番重要なのは、分離降下のシ-ンを撮影したカメラだったのですが、回収の方には、そのカメラの存在すらお伝えしていなかったので、「まずロケット本体の回収が優先」と考えるのは当然の事でした。
冒頭に書きましたように、打上直後に始まったゲリラ豪雨により、水路の水かさが増え、回収地点に渡れなくなってしまいましたので、カメラの捜索・回収とデフォルマイスターぷちの回収は断念しました。
おわりに
繰り返しになりますが、今回の打上に際し、快く許諾をいただきました、東映のご担当者様、東映AG・東映の関係部門、および非公認戦隊アキバレンジャースタッフの皆様、また、いろいろと応援していただきました、能代宇宙イベント参加の先生方、学生さんたち、イベント関係者の皆様、そして、回収を手伝っていただきました、有人ロケット研究会の皆様、および大型モデルロケット公開打上を主催していただきました、日本モデルロケット協会の皆様、本当にありがとうございました。
※撮影をお手伝いいただいた東工大の方、名刺をいただいていると思ったら見当たらなかったので、連絡がつかず、そのままになってしまい申し訳ありません。もしこの記事をご覧になりましたら、このブログのプロフィールにメールアドレスがありますので、ご連絡いただければ幸いです。
※※目篭のモデルロケット以外の「2013能代宇宙イベント」の様子については、
「目篭版D.P.Z.(別館)」ブログの
「速報!2013能代宇宙イベント」をご覧ください。
緒元
イベント :第9回能代宇宙イベント 大型モデルロケット公開打上
主催 :日本モデルロケット協会/能代宇宙イベント協議会
日時 :平成25年8月25日(日) 11:30頃
打上場所:秋田県能代市浅内第三鉱さい推積場(能代宇宙広場)
機種 :initiator
エンジン :F20-4W
搭載物: AltimeterTwo,
カメラ(James 2nd Car Model No.J2MS),
デフォルマイスターぷち:市川葵(バンダイ)
高度等:(搭載のAltimeterTwoによる※)
最高高度 約170m
最高速度 約194km/時
燃焼時間 1.9秒
最大加速度 約3.6m/秒*2
平均加速度 約0.9m/秒*2
燃焼終了から最高高度到達までの時間 5.4秒
最高高度到達から放出までの時間 -0.3.秒
パラシュート放出高度 約152m
降下速度 約22.5km/時
総飛行時間 31.0秒
※設定がフィート/マイルとなっていた為、手計算でメートルに変換
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