手塚昌明監督トークショウ
報告が遅れましたが、9/19に京都みなみ会館で行われた手塚昌明監督のトークショウに行ってきました。
オフレコの話もいろいろありましたが、それとは別に多分オフレコではない話の中で3つほど感銘を受けた話がありましたので書いておきます。
実はこの3つ、どれも私が常々思っていることで、このブログに書いたりTwitterでつぶやいたりしている事なのですが、期せずして手塚監督が全く同じ考えである事がわかり「ああ、考えているのは私だけじゃないんだ」と思ったのと、私がいくら言っても、多分誰も耳を傾けてはくれませんが、高名な手塚昌明監督が同じ考えであれば、少しは世の中に広まるだろうと安心した、ということがあります。
1.少なくとも特撮映画の中では「正義は勝つ」でないといけない。
実社会では正義が勝つなんて滅多とありませんが、だからと言って、特撮映画の中で「正義が勝つとは限らないよなぁ」とかやってしまってはいけない。中心軸がズレちゃうからです。
手塚監督はもう一つ「最後まであきらめない」という話もされていましたが、他にも、「嘘をついてはいけない」とか「他人迷惑をかけてはいけない」とかいろいろあると思います。
いずれにせよ、現実社会がそうではないからといって、少なくともそれを特撮映画で見せてはいけない。そうしないと「本当は何が正しいのかわけがわからなくなってしまう」。
「正しいことはこうだけれど、仕方がない」と思ってやるのと、全くわけがわからずにやるのとは全然違います。後者では、世の中が混乱して収集がつかなくなってしまう。 少なくとも子供たちには「正義は勝つ」「決してあきらめてはいけない」と教え続けなければいけません。
2.円谷英二さん、本多猪四郎さんが生きていたらきっとCGを使っていただろう。
これも、私がいつも言っている事なので、手塚昌明監督が同じ事をおっしゃられたので、大変嬉しかったです。円谷英二さんは「いかにして本物に見せるか」という事を常に考えておられた。加えて、オプチカルプリンターを勝手に発注してしまうほどの新し物好きですから、それはきっとCGもフル活用するに違いない。
私も恥ずかしながらCGはほんのちょこっとだけやりますので、CGの世界がいかに映画に近いか、という事がよくわかります。例えばライティングとかカメラアングルとかは実写でもCGでも重要な所は殆ど変わりません。
日本特撮でCGが駄目なのは、実写特撮からのノウハウがうまくCGに受け継がれていない面が大きいと思います。 あと、特撮マニアが嫌うので、海外に比べていつまでも成長しない、レベルが低い、というのもあります。
また、特撮マニアだけではなく困った事に現役の特撮監督の一部も、変にミニチュアワークにこだわるので、却ってリアリテイを損ねている部分もあります。 円谷監督が生きておられたら両方の良い所を活かして「まさに本物のような」シーンを作り上げたに違いありません。
3.一党独裁はいけない。
これは特撮の話ではないですが、私が常々言っている事と全く同じだったので、ここに書いておきます。
手塚監督、前回の選挙の時に、ちょうど20才になったお子さんに、「自民党(と公明党)以外の、どこでもいいから入れろ」とおっしゃったそうです。
私は、日本の理想的な国会の形態としては「普段は自民党が勝つが、野党が団結すれば自民党を凌ぐ」というのが一番いいと思っています。手塚監督もまさに同じ事を言われていました。
私は前回の選挙の時散々わめいたのですが、誰にも相手にされず、結果どうなったかといえば、ご存知のようにあの強行裁決です。
普段は確かに野党は責任能力がないから、そういう時は自民党でいい。しかし、自民党が暴走しそうになったら、野党が一致団結すればそれを止められるようになっていなければいけないと思います。この点についても手塚監督が全く同意見で嬉しかったです。
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