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2005/12/07

ロボット店員の働きを見る

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daiakusyon  12/2付けのニュースによれば、日本で初めて従業員としての辞令を受けて、ショッピングセンターで働いているロボットがいるらしい。はたしてロボットに店員が務まるのか、その働き振りを千葉県のイオン八千代緑が丘ショッピングセンターまで見に行ってきました。(スーパーで働いているのでこれぞスーパーロボットだという人もいますが)

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ロボットの名前は「エノン」君

zirei  左の写真が辞令です。12/1には辞令交付式もあったらしい。商業施設で従業員として働くロボットは日本初ですが、人型ロボットは世界で一番日本が進んでいるので、世界でもたぶん最初ではないか、とのこと。
 ちなみにエノンとは ネットで調べたところ an excithing nova on a network の略だそうで(ネットワーク上に生まれた、わくわくする新星ぐらいの意味かな?)確かにロボットの名称というよりは、「人呼んでさすらいのヒーロー」みたいな人間の通り名っぽい感じではあります。

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エノン君の職場

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 さて、そのエノン君の職場ですが、インフォメーションカウンターの横です。

 ここでどのような仕事をするかというと、お客様に挨拶をしたり、季節や天候に合わせたお買い物情報を提供したりします。

 エノン君の前に柵がありますが、これはこのような従業員として働く試みが始まったばかり(私が行ったのは開始3日目)で慎重にやっているためで、来週には柵をはずすなど、だんだんにサービスを広げていくのだそうです。

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エノン君の仕事ぶり1(今日は何の日クイズ)

mikannohi  胸のところにディスプレイがあって、そこに画像を表示しながらお話をします。
 写真は「今日は何の日クイズ」をやっている所で、私が行った12月3日は「みかんの日」。「みかんは風邪の予防にもなるので、寒い時期にはお勧め」と、さりげなくみかんの販売をPRです。

 店内案内をディスプレイとスピーカーでやっていてもたぶん誰も素通りしますが、身振り手振りを加えながらしゃべっていると、人はつい立ち止まって見たり聞いたりしてしまいます。
 おそらくそこにエノン君の意味があると思うのですが、実際、エノン君がこのクイズをしゃべっている間、常に人だかりがしていました。

 エノン君の腕の「実習生」という腕章と、首にかかっている身分証らしきものにも注目。彼は従業員なのです。 

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「充電中」ではなく「休憩中」

kyukei2 メンテナンスや充電など、この場所にいて仕事をしていないときは「休憩中」のプレートがかかります。あくまで人間として扱うというところから、「充電」ではなく「休憩」という表現にしている、とのこと。

 プレートには他にもあります。エノン君は普段はこの場所にいますが、他の場所で仕事をしていることもあり、その時は「外出中」のプレートがかかります。

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他の仕事場へも移動します

idou  これが店内を移動している様子。担当の方に付き添われていますが、これも最初だからで、来週からは自律走行、つまり、自分ひとりで店内を動くようになる予定だそうです。配属したての新人みたいに、だんだん仕事に慣れていくわけですね。

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エノン君の仕事ぶり2(呼び込みとお勧め)

osusume  この日の外でのお仕事先はレコルテという洋服やさん。お客の呼び込みと、おすめめ商品の紹介です。
 おすすめはファー付きのダウンジャケット。
「これからの寒い季節に、軽くて、色も4色から選べてファー付きでこのお値段」と胸のディスプレイに表示しながらアピール。ちなみにエノン君の後ろに見えるのがその実物です。

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今日の販売支援先「レコルテ」

rescolter  今日エノン君が販売支援をしたレコルテさんにお話を聞きました。
「ネットにお店の写真だしてもいいですか?」
「いいですよ。可愛い女の子がいっぱいいるお店だって、宣伝しといてください」
「じゃあ、顔写真撮ってもいいですか?」
「いや、それはちょっと...」
(実際可愛かったんですが、残念。)

「ロボットに呼び込みをやってもらって、お客さん増えましたか?」
「若干増えたよね。あっ、いっぱい増えた、って書いといてください。」
(ゴメンナサイ。ウソは書けないんで、そのまま書きます。)

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(顔出し許可は実は大変)

onnanoko  店員さんの代わりといってはなんですが、レコルテの店頭でエノン君に見入っていた女の子の写真です。

 今回大変だったのは、いつも子供づれで人だかりがしているのですが、そういう時は人が多く、またすぐ入れ替わってしまうので、顔出し許可が取れなかった事。この写真は空いているときでもあり、追いかけていって許可をもらいました。

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ロボット担当者は子供好き

kodomo  大変といえば、ずっと世話をしているロボット担当の方はそれこそ大変です。

 人間なみとは言っても、そこは実は機械なのでやはりトラブルは起こります。担当者がメンテナンスしている間も、子供たちは許してはくれません。システムが立ち上がる間、子供たちからのロボットに関する質問を受けたりしながら、時間稼ぎをしています。つくづく子供が好きでなくてはできない仕事だと感心してしまいます。

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いつかきっと...

byebye  辞令をもらって従業員として働いていたエノン君ですが、実際には担当者の方が付きっきりの状態で、とても人間の代わりになる、というところまではいっていませんでした。
 しかし、このように実際に店頭で働くことで、実際にはどんな状況があり、それにどう対処すればよいか、というデータをたくさん積み重ねることが出来るので、きっといつかは一人で人間の代わりができるようにしたい、というのが、お世話をされていた富士通の方のお話でした。
 エノン君が店員をやっているのは12月25日までですが、最後の週には「音声認識」つまりお客さんの言葉を聞き分けて行動する、というようなこともやる予定だとのことです。成長する新人従業員エノン君。ガンバレ!

(写真は「バイバイ」をするエノン君。)

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