自分の星を見つけに行く
札幌からはバスで 自分の星を見つける旅、まずは新千歳空港からJR快速エアポート(片道1040円)で札幌へ。
札幌駅ではエスタ1Fのバスターミナル11番乗り場から、沿岸バスの「特急はぼろ号(写真)」で「豊崎」という所へ向かいます。
時間は3時間47分、料金は片道4000円、往復だと7600円です。
「特急はぼろ号」は電話による事前予約が必要なので注意しましょう。
また、札幌駅のバス乗り場がわかりにくいので、初めての人は接続時間に余裕を見ておく方が安全です。(ちょっと焦りました)
宿は岬センター 宿は岬センターという所です(写真)。
「豊崎」のバス亭からは、歩いて10分くらいあり、旅行の荷物を持って歩くには結構遠い距離でした。
私は知らなかったのですが、前もって到着するバスの時間を連絡しておけば、「豊崎」バス停まで送迎バスを出してくれるようなので、利用しましょう(^^;)。
岬センターは天然温泉 岬センターは天然温泉で、日帰り温泉施設もなっており、それぞれは小さいながらも、泡風呂、打たせ湯、水風呂、サウナなどたくさんの浴槽があります。
泉質はナトリウム泉で、しょっぱいですが、丁度腰痛に悩まされていたので、とても気持ちのいいお風呂でした。
私は温泉が大好きですが、「豪華の格安、熱海温泉は今」という記事にも書いたとおり、実は、一人で泊まれる温泉というのは少なく、ここのようにシングルルームがある温泉は大変貴重です。
写真は露天風呂ですが、この右側の室内に、内湯の大きな浴槽があります。
まるでパンフか絵葉書みたいな写真ですが、自写です。眺めのよい所なんです。
料理も満足 料金は1泊2食付シングル7,665円(税込)。
その夕食は写真のとおりです。
特に料理として珍しいものはないのですが、素材が良いのか、一品一品がとてもおいしく、結構満足できました。これは朝食も同じ。
名物料理が食べたい方は、夏季の昼時間限定で「ふぐ天丼」(980円)というのがあります。(写真は次の項に)
ふぐの味は淡白ですが、衣に天丼のタレがしみて、あつあつでおいしかったです。
なお、二人以上で泊まられる方は、夕食にふぐ鍋(要予約、1780円)もあるようです。
インターネットにはつながりません 温泉と料理は○でしたが、問題点もあります。
インターネットにつながらない。
LANはもちろん、電話からのダイアルアップもつながりません。音響カプラーはかさばるので、極性反転ツールだけは持参したのですが、そんな甘いものではありませんでした。
今時音響カプラーを持っている人も少ないと思いますので、未検証ですが、DoCoMoの電波は入っていたので、ケータイ系のネット接続カードならあるいは接続できるかもしれません。
(写真は前の項の「ふぐ天丼」です。この項の本文とは関係ありません。)
そろそろ自分の星を見つけに... ゆったりと温泉につかり、おいしいものを食べて、ついでにビールの一杯も引っ掛けて、極楽極楽..。
おっとっと。これでは何をしにきた旅かわかりません。自分の星をみつけにきたのでした。
星を見つけるなら、やっぱり天文台に限ります。岬センターから歩いて3分くらいのところに天文台があります。ここへ行って聞いてみましょう。(入館料は高校生以上200円)
なんて、わざとらしい書き方をしてしまいましたが、もちろんこの天文台が今回の目的地。
実のところ、星は夜にならないと見えないわけで、天文台の方から「夕食を食べてからお越しください」と言われていて今までのんびりしていた、というのが真相です。
とても簡単に見つかります
私(目篭:MEKAGO)の星はどこにあるのか。天文台の黒田さんに教えていただきました。
「この星はね、わりと見つけやすいところにあるんですよ。
はくちょう座の中心の星(サドル)とお尻の星(デネブ)を結んだ線を同じ長さだけデネブの外側に伸ばすとちょうどそのあたりです。(左の写真参照)
この近くに、3つ星が並んで弧を描いていますが、(記事冒頭の写真を参照)その下ですね。」
とても簡単に見つかってしまいました。
これは私のハンドル名(目篭:MEKAGO)の星ですが、本名の星も同じです。
またこれを読まれている皆さんの星も、黒田さんにお願いすれば、同じように簡単に見つけていただけるだろうと思います。
え?何かおかしいって?。もちろん、ちょっとしたタネと仕掛けはあるわけです。
まず、自分の星がないと見つけられない
あたりまえといえばあたりまえですが、見つけるためには、まず自分の星がなくてはいけません。
ここ、しょさんべつ天文台では、My Star Sysytem といって、自分の星を登録することができます。
タネを明かすと、3月頃、今回のために前もって、自分の星(MEKAGO)を登録しておいたのでした。
写真は登録をすると貰えるキーホルダーで、
No7556というのがMyStarSystemの登録番号、SAO33091というのがSAO星表の番号、つまり実際にあるどの星かを表す番号です。
星の名前は、特に本人の名前でなくても、恋人や子供の名前でもいいし、「他の誰かを傷つけない」限り何でもいいそうです。
費用は5000円で、登録をすると、キーホルダーのほかに星の場所を表す星図や星の曲が入ったCDなどがもらえますが、詳しいことはリンクを参照してください。
安いし、旅行先にも丁度良い このようなサービスを行っているのは、私の知る限り、日本ではここだけです。
海外の同様なサービスを日本で仲介しているところはあるようですが、それに比べるとしょさんべつ天文台の5,000円というのはかなり安いです。 他のサービスはネットで検索しただけなので、内容は一切保証しませんが、参考までに。
・ステラレジストリー 日本語サイトあり 31,500円
・スタードームギフト 日本語サイトあり 28,800円
・Global Star Registry(英語のみ) 85米ドル
(約10,000円)
ネットで見る限り、登録や送られてくるものの内容はほぼ似たようなものですが、今回のように、旅行がてらに訪ねていって、自分の星を見せてもらったりできるのは、国内ならではの強みでしょう。ちなみに、しょさんべつ天文台は、初山別村営のれっきとした公共施設で、そういう意味でも安心といえるかもしれません。
(写真は天文台のあるみさき公園と初山別村の看板)
「星の名前」とは何か ここで 登録された名前は、国際天文連合(IAU)で正式に認められた名前ではありません。
だからと言って、意味のない名前かというと実はそうでもないのです。
このことをどうやって説明しようかと悩んでいたら、まさに私がしょさんべつ天文台に行ったその日、大事件が起こりました。
他ならぬIAUが「冥王星を太陽系の惑星から外す」という決定をしたのです。
冥王星と同じような星がたくさん発見され、それらをすべて惑星とするのか、冥王星も含めてすべて惑星でないとするのか、という議論の結果なのですが、ニュースで、ある占星術師の人が「占星術では、これからも冥王星を使いつづける」というようなことを言っていました。
IAUの定義では、冥王星は惑星から外れてしまいましたが、
「昔、おじいちゃんが子供のころにはな。冥王星という惑星があって、太陽系の惑星は9つだったんじゃ」などというふうに、「冥王星」はいつまでも、いつまでも語り継がれることでしょう。
また、これは黒田さんに話をうかがって初めて知ったことなのですが、「星座」も、昔はIAUが管理していたが、現在ではやっていないのだそうです。つまり、星座の名前も、IAUの正式な名称ではなく、単なる俗称に過ぎないというわけです。
つまり、星の名前というのは、実はIAUの定義とは関係なく、人々がどれだけ知っているか、どれだけの人々に認知されているか、ということが重要なわけです。
それでは「しょさんべつ天文台」の「My Star System」というのは、どれだけの人に知られているのでしょうか。実は、数字の上ではかなり多くの人が知っている筈なのです。
白線流し~19の春~ しょさんべつ天文台はフジテレビドラマ「白線流し」のスペシャル、「19の春」の舞台となった所です。
ネット上のビデオリサーチの資料によれば、関東地区の平均世帯視聴率で19.3%といいますから、同じビデオリサーチの資料に基づけば関東だけで300万世帯くらい見ているわけですね。
特に主人公と同じ年代の人には、強く共感するものがあるのでしょう。
私も、自分が新入社員の頃にやっていた新入社員をテーマにしたドラマが大変印象に残っているので、なんとなく理解できるような気がします。
ドラマ中で、長瀬智也くんが、ちゃんと My Star Systemの申し込みを受付ているほか、仲間全員分の星の名前を登録して、別れ際に酒井美紀ちゃんに渡しています。広く認知されていることが必要だといいましたが、このことから考えると充分広く認知されている、と言っていいかもしれません。
写真は、天文台に勤める長瀬くんを美紀ちゃんが訪ねてくるシーン、と、できるだけ同じアングルから撮ったつもりの、しょさんべつ天文台です。
少しだけロケ地探訪
せっかくなので「白線流し」フリークのために、少しだけロケ地探訪をやってみました。
左の写真は、思いつめて長瀬君に会いに来た美紀ちゃんが、バスを降りて天文台まで歩いていくシーン、とできるだけ同じアングルのつもり、です。
ドラマではバス停が天文台のすぐ前にあるように思えますが、実はこの道、最初に紹介した、バス亭から岬センターまでの距離とほぼ同じなんです。つまりめちゃくちゃ遠い。
上の写真は望遠で撮ったものですが、同じ場所で標準で撮ったのが左の写真。遠さがわかってもらえるでしょうか。
ドラマでは、二人が別れる時、バス亭から天文台が見えているのですが、恐ろしい望遠で、それも被写界深度のかなり深いカメラで撮ったのでしょう。空気が強烈に揺らいでいます。ちなみに私のカメラではとても再現不可能でした。
19歳の酒井美紀を思い浮かべて... 今回苦労したのは、北海道は女の子のブログ掲載NG率が高かったことです。
新千歳空港で牛乳の試飲を薦めていた女の子が可愛いかったのですが、交渉中に後ろから訳知り顔のお兄ちゃんが、多分カッコイイところを見せようとしただけだと思うのですが「ネットは駄目だよ」とか口をはさんでNGになったのを皮切りに、ただでさえ若い女の子との遭遇率の少ない旅で3人ほど断られました。
なので、今回は女の子の写真なしです。
代わりといってはなんですが、お金のある人は「白線流し」のDVDを買って、ない人は写真の上で、19歳の酒井美紀ちゃんがしょさんべつを歩いているシーンを想像してください。
写真は、クライマックスで長瀬君と美紀ちゃんが抱擁するシーンのロケ場所。ドラマでは紫の芝桜でしたが、季節ごとに植え替えるそうで、私が行ったときは、ひまわりが咲いていました。
星の中でも、今回の話でいうと、はくちょう座のデネブやサドルのような、いわゆる「恒星」に名前をつける手段としては、ご紹介したMy Star System のようなサービスを利用することになるわけですが、「小惑星」については、例外的にIAUが発見者に対して命名権を認めています。
しかし、「小惑星」を発見することは、かなりコアな天文マニアでないとむずかしいでしょう。
しかし、我々シロウトにも命名できる、もう一つの星の種類があります。それは「人工衛星」。
日本の人工衛星を打ち上げている宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、時々、打ち上げる衛星の名前を募集しています。
左の写真は、陸域観測技術衛星の愛称「だいち」を命名したときに貰った賞状です。
なんかすごいことのように思えますが、実は同じ「だいち」という名前で応募した人が487人もいて、更に、その代表者も抽選で決まっていて、残念ながら私ではありません。
募集はネットでやっていたりするので、軽いノリで応募できます。
ただし、自分好みの名前をつけようとすればするほど、採用されない可能性が高くなるという問題点はありますが(^^;)。
この記事で紹介した各種の料金、サービスの内容等は目篭個人が調べたもので、2006年8月24~25日時点のものです。
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コメント
こんばんは~
TBのことごめんなさい(><
関連記事を探して、面白かった記事をメモしまくってから飛ばしているので、
ぜんぜん関係ありませんね・・・
この記事を読んで、中学生のときに(10年位前)聞いた。
死んだ鳥の名前を星につけて、
夜空を見るたび悲しくなる女の子の物語を思い出しました。
このサービスって、どのくらい昔からあるんですかね~?
バイクで一人旅が好きなので、いろいろ参考にさせてもらいます^^
投稿: まいか | 2006/09/19 21:06
まいかさん
My Star system は 平成7年4月に始まったそうです。11年前ですから、ひょっとしたらその女の子も使ったかもしれませんね。
トラックバック削除してごめんなさい。荒らしでないことはわかっていましたが、一応、関連ある記事を書く時に使うのがTBなので。
とてもいいコメントをありがとうございました。
投稿: 目篭 | 2006/09/20 01:38