ウイスキー蒸留所に行く
白州蒸留所は森の中
サントリー白州蒸留所は、山梨県のJR小淵沢駅から車で10分くらいの森の中にあります。
おいしいお酒を作るためにはおいしい水が必須ですが、それを日本中さがしてたどりついたのがここだそうです。
なので、後に「水」が売り物になる時代になって、この蒸留所の水が売り出されたのが、有名な「南アルプスの天然水」というわけです。
写真は蒸留所にある「ウイスキー博物館」。ウイスキーの歴史がわかります。
錬金術から生まれたウイスキー 物を熱して、その蒸気から成分を取り出すことを「蒸留」といいますが、サントリー白州蒸留所は、元になるお酒(醸造酒)を蒸留してウィスキーを造る所です。
ところで、「ウイスキー」という名前ですが、
ある日、錬金術士が、金を作るための道具で醸造酒を蒸留してみると、これがとてもおいしく、「これは命の水だ」と言ったそうで、
この「命の水(ウシュクベーハ)」という言葉がウイスキーの語源だそうです。
なので、「ウィスキー博物館」には、写真のような錬金術師の部屋が再現されていたりするわけです。
発酵は木の樽で
博物館を見た後は工場見学。
写真は、ウィスキーの元(醸造酒)を発酵させる発酵槽です。
白州蒸留所では、20年前のに発酵槽をステンレスから木の樽に入れ替える大改装を行ったそうです。
これにより、お酒の味が良くなり、今年、ウイスキーの世界コンテストであるISCで「白州18年」が金賞を受賞したとのこと。
工場の方は「常に20年先を見越して設備を作らないといけない」とおっしゃっていました。
いろいろな形の蒸留釜
発酵を終えると、いよいよ蒸留。
いろいろな形の蒸留釜が並んでいますが、たとえば、縦に長い釜は、軽い粒子が取り出されるので、あっさりした味、短い釜は重い粒子が取り出されるので重厚な味になるなど、形によって味が変わります。
サントリーの工場では、釜の形だけではなく、蒸留方法や樽の種類などもそれぞれ複数あり、いろいろな味が出せるように工夫されています。
これは、複数の味を組み合わせることで、常に均質な味をお客様に提供できるようにするためだそうです。
そして貯蔵庫へ
蒸留を終えた液体は、そのままでは無色透明。
それではあの、ウイスキー特有の色や味わいはどうやってできるのかというと、樽に詰められて、貯蔵庫で長い間熟成されてできる。つまりあの色と香りは,樽の木の成分が溶け出したものなわけですね。
残念ながら、実際の貯蔵庫は撮影禁止だったので、写真はウイスキー博物館内のレプリカです。
樽を丸ごと買うオーナーズカスク
貯蔵庫で特別に「オーナーズカスク」というものを見せてもらいました。
これは、樽一つをまるまる買って、その所有者になることができるもので、一樽50万円から、上は3000万円くらいまであるそうです。
樽は貯蔵庫で保管されますが、最終的にはビンにつめて届けられます。写真は、オーナーズカスクの樽から出された中身のウイスキーが並んでいるところです。それぞれ色が違いますね。
ウイスキーと宇宙
ちょっと興味があったので「1000万円以上の樽を買われた方は何人ぐらいおられますか」と聞いたところ、「数名です」との答えでした。
なぜそんなことを聞いたのかというと、現在、ポピュラーな宇宙旅行として知られているものに1200万円のものと、2200万円(販売時の円相場)のものがありますが、どちらもそれぞれ参加者は一桁です。
ビジネスモデルとして、趣味の世界に1千万円を払う人がどれぐらいいるのか、という一つの参考になるかもしれません。
写真は、ウイスキー博物館で流れていた昔のCMで、トリスをもらって喜んでいる宇宙人です。このころのトリスは330円。
樽を焼く、リチャー
ウイスキーを寝かせる樽ですが、30年ほど使うと、溶け出す木の成分が少なくなって、熟成力が弱くなるのだそうです。
そこで、樽の内側を焼くことによって、細かなひび割れをつくり、そこから木の成分が染み出すようにして、熟成力を回復させる、この作業が「リチャー」です。
写真のうち、青色の炎はまだ樽に残っているウィスキーが燃えているもので、オレンジ色が樽の木が燃えている色とのこと。
見学の後はセミナー 見学の後は、ウイスキーの歴史や作り方、世界の蒸留所などに関するセミナーでした。
写真は、おいしい水割りの作り方の講習。
実は、案内と講習をしてくれたお嬢さんがとても可愛い方だったのですが、サントリーさんは大変厳しく、「弊社又は弊社関係者の個人情報(顔のわかる写真を含む)等の掲載はご遠慮ください。」という明確な規定があり、写真を掲載するわけにいきません。
なので、せめて、彼女の手の写真だけで、我慢してください。
おいしかった! そして最後は、おまちかねの試飲。
いただいた中では、「白州18年」が抜群においしかったので、何度もおかわりしてしまいましたが、売店で見たら、1本21,000のお酒で、とてもお土産には買って帰れませんでした。
そして、もう一つ、とてもおいしかったのが、写真の燻製。
蒸留所内のレストラン自家製で、ウイスキーの樽の木でいぶして作るのだそうですが、これが無茶苦茶うまい。
食べてからあわてて気が付いて写真を撮ったので、実はこの上に生ハムがありました。
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