本場ロズウェルのエイリアン祭り!
米国ニューメキシコ州の「ロズウェルUFOフェスティバル」に行ってきました。
ロズウェルはUFOが墜落したという「ロズウェル事件」で有名な町ですが、お祭りの実態は「エイリアン祭り」とでもいうべきもので、UFOを信じているかいないか、などという事はぜんぜん関係なく、大人も子供も、誰もが楽しめるお祭りでした。人間だけでなく、ペットのエイリアンコスプレもありますよ。
後半で、ロズウェルの町のあちこちにいる、ほのぼのとしたエイリアンたちについても、少しだけご紹介します。
「エイリアン ペット コンテスト」
まずは「エイリアン ペット コンテスト」からご紹介。ペットのエイリアン・コスプレです。
エイリアンというと、H・R・ギーガーがデザインした、映画「エイリアン」の怪物を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ここでは単純に、エイリアン=宇宙人(ペットの場合は宇宙生物、かな)という意味です。
この犬はコスチュームではなく、毛をトリミングして染めているようですね。
どちらがペットのためになるのか
一方、服を着せたり飾りをつけたりするだけ、という飼い主も多かったです。
写真のお嬢さんは、ペットがいやがるからでしょう、ぎりぎりまで飾り物をつけませんでした。
もちろん、凝ったことをすれば優勝の可能性は高くなるでしょうが、ペットにとって本当によい事とはどちらなのか、難しい問題です。
人間で言うと、親が子供の受験勉強に厳しいかどうか、という事に似ているかもしれません。
猫もいます
比率としては、やはり犬が多かったですが、猫もけっこういます。
エジプトの猫
この猫は、エジプト神話やピラミッドの壁画などによく出てくる猫の模様に色づけされていました。
フェレットです
だんだん、いろいろな種類のペットが登場します。これはフェレット
モルモットです
これはモルモット。審査中ではなく、準備中の写真です。
なんと「馬」が!
いろいろなペットがいるものですが、なんとついに「馬」までが登場。壇上にあがれないので、手前の広い所での審査となりました。コスプレ度がいまいちだったのが少し残念。
上には上が、無生物ペット
このペットは無生物。飼い主が押して動かす。つまり「物」です。
エサもいらないし、とても従順なのだそうです。これは「動物コンテスト」ではなくて、あくまで「ペットコンテスト」なので、これも確かにOKですが、しっかり意表を突かれました。
私の一押し
で、気になるコンテストの結果ですが、私はこの写真の犬がお気に入りだったのですが、残念ながら2位でした。
優勝はこのペット
そして、優勝したのはこの犬!。
優勝の理由(憶測)
この犬は、じつは、写真のようにUFOに乗っているんです。憶測ですが、もともと「ロズウェルUFOフェスティバル ですからね。UFOのことを忘れなかったことが、ポイント高かったんじゃないでしょうか。
エイリアン乱入!
優勝の発表が終わった後に、突然エイリアンが乱入です。持っている針金の先にペットがいるんだそうで、「俺のペットをみてくれ、無色透明で質量もないけど、かわいいやつなんだ」とのこと。
「無生物」をさらにしのぐ「何もない」ペット。 残念ながらエントリーがされていなかったようで、審査対象にはなりませんでした。
「エイリアン コスチューム コンテスト」
先ほどのエイリアン氏、「エイリアン コスチューム コンテスト」にも乱入です。
どうやら、参加者ではなく、主催者側が作った、映画で使われるようなクオリティのスーツのようです。
それでは、ここからは、「エイリアン コスチューム コンテスト」の様子をお伝えします。
人間がやるエイリアン・コスプレです。
いろいろなカテゴリのコスプレが
コスプレはTVや映画のキャラクタ、オリジナル造形などいろいろのコスプレがありました。 コンテスト全体では50人(匹?)くらいいて、とても全部は紹介できませんので、主なものいくつかをピックアップしてご紹介。
まず写真は映画の「アバター」です。ちなみに、日本の「萌え」と「アニメ」は世界を制覇していると思っていたのですが、今回ロズウェルでは、日本のキャラクターは見かけなかったようです。日本のコスプレイヤーもロズウェルを目指そう!
かわいいは正義!
子供にコスプレさせたら、そりゃかわいいよなぁ、違反だよなぁ、と思っていたら、各グループごとの予選では、ちゃんと「大人の優勝」と「子供の優勝」が両方設定されていました。
写真はまさに「かわいいは正義」ですね。
光るやつ
なんだかわからない生き物。尻尾の所はライトではなく、自分で発光しています。その他細かい所までよく作りこんであるコスチュームでした。
腕が4本
同じくなんだかわからない生き物。これは、腕が4本あり、上の腕から真ん中の腕を吊っています。
本格派のエイリアン
この写真のように「これぞエイリアン」という本格的な格好ももちろんあります。
こんなひょうきんな奴らも
そうかと思うと、こんなひょうきんな奴らもいたりします。他にはこういう感じのコスプレはなく、ひときわ目立っていました。
気軽に参加できる
今まで完成度の高いものばかりご紹介してきましたので、敷居の高いイベントのように思われるかもしれませんが、実際はごく気軽に参加しているようです。
写真手前はよくある、手足がさかさまの「逆立ち」芸、その奥すぐ右のシルクハットはおなかに顔の書いてある「腹芸」です。
「欽ちゃんの仮装大賞」と言ってわかる人は、もう結構な年かもしれませんが、わかる人には、それのアメリカ版でかつSFやエイリアンネタ限定だと思えばいいでしょう。
で、総合優勝は
各グループ毎の予選の優勝者の中から、見事総合優勝に輝いたのは、この子でした。
この子の何がすごいかと言うと......。
パトカーに変身
なんと、パタパタっとパトカーに変身してしまうんです。あっという間に、あまりにもコンパクトになってしまうので、会場大うけ。「トランスフォーマー」ネタでした。
※この写真のみ、S.J.C.小林様からお借りしました。ありがとうございました。
変身の動画
あまりうまく撮れていませんが、変身時の動画です。
エイリアン チェース
人間とペットのコスプレと並んで、ロズウェルUFOフェスティバルのイベントのひとつに、「エイリアン チェース」というのがあります。
これは、ロズウェルのランナー協会が主催しているもので、上のスタート時の写真を見ていただくとおわかりのように、みんなごく普通の格好です。
つまり、実はただの「ロズウェル マラソン大会」(距離は5kmと10kmなので正確にはマラソンではありませんが)なのですが、そのタイトルを「ロズウェルなんだからだからエイリアンてつけちゃおう」、そして「どうせならUFOフェスティバルの日に開催しよう」ということになっているようでした。
もちろん、中にはこういう人も
もちろん、中にはこういう人たちもいます。しかし、こういう格好で走っている人は全体の中ではごくわずかで、見渡したところでは、1000人のうちほんの数人、だったでしょうか。
なんでもエイリアン
こちらは、メインのイベント会場にある「ヤング エイリアン」という施設ですが、これも、ごく普通の空気でふくらませるタイプの、子供の遊具です
いい例えがある筈なのに浮かびませんが、たとえば故郷神戸の近くでは、明石市では何にでも頭に「子午線...」とついていたり、鳴門だと「うず潮...」とついていたりしますが、まあそれと同じ感覚で「何にでも「エイリアン...」とつけている感じです。
年に一度の夏祭り
こちらもメインのイベント会場近くのコンサート会場なのですが、集まってくる人も普通の格好なら、聞く方の人々もごく普通の格好です。ちなみに、私が通りかかったときに流れていたのはメキシカンでした。
このほかにもワインフェスティバルなどいろいろな催しがあるのですが、最初にご紹介した2つのイベントを除けば、基本的には「自分たちの町の年に一度の夏祭り」にたまたま「エイリアン」というタイトルがついている、という感じでした。
あちこちにエイリアンはいるのだが
これはKFCですが、カーネルサンダースの代わりに、エイリアンが立っています。
こんな感じでロズウェルには、町のいたるところにエイリアンがいるのですが、だからと言って、店に入って「何かエイリアン関係のものはあるの?」と聞くと「ない」と、これまたニベもなく言われます。
つまり、「ゆるキャラ」なのではないか。
結局、「エイリアン」というのは、単なるこの町の「ゆるキャラ」なんじゃないかと思います。
単なるシンボルであって、それがあるからといって、特に関連する商売や商品を売っていたり、それに関する何かをしているわけではないようです。
写真は家具屋さんですが、特にエイリアン調の家具とかを売っているわけではありません。
街にはアジのある絵がいっぱい
ちなみに、「ゆるキャラ」だとデザインに版権があるのでたった一つの図柄になりますが、「エイリアン」は特定のデザインではないので、皆が思い思いに書けるわけです。
そんなわけでロズウェルには、この写真のようなアジのある絵がいっぱいです。
ショーウィンドウにも..
そして、お店屋さんのショーウィンドーにもこういうのがいろいろいます。
これまた、ごく普通の楽器店ですが、エレキギターをひいているのはエイリアンです。
こういうのは町中にそれこそヤマのようにあって、多分全部調べれば、それだけで1つのサイトができてしまうような量ですが、後述するように交通手段がないので、短時間ではとても収集できませんでした。
すみません。ご興味のある方はぜひご自身でロズウェルを訪れてください。
せっかくなので、有名な看板だけでも
と、いってしまうのもあまりにもつれないので、もう一つだけ追加でご紹介。
これは、割と有名なので、どこかでご覧になった方がおられるかもしれませんが、Arby'sというファミレスの看板。「エイリアン歓迎(ALIENS WELCOME)」と書いてあります。
ただしこれも、店内にエイリアングッズがあるとか、それらしい食べ物があるとかいうわけではありません。
ロズウェルとはどういう町か
それでは、そもそもロズウェルとはどういう町か、ということですが、ニューメキシコ州では5番目の都市(wikipediaによる)で、確かに地方都市には違いないですが、NHK海外ドラマの「ロズウェル」をご存知の方がイメージするようなド田舎の街というわけでもありません。
何を隠そう、私は過去に数時間だけロズウェルに来たことがあります。その時、ロズウェルの観光局(写真左側の建物)で、UFOやエイリアン関係の観光スポットを聞こうとしたのですが、驚くべきことに、そういった関係のパンフレットはUFO博物館のもの1つしだけかなく、係りの人に聞いたところ、
「ああ、エイリアン?それってほとんどUFO博物館の周りだから」と、けんもほろろの扱いでした。
日本でロズウェルは「UFOで町おこしをした町」という認識があるようで、篠田 節子さんの小説「ロズウェルなんか知らない」では、ロズウェルを真似て、UFOネタで村おこしをする話が出てきますが、実際の所、ロズウェルでは、町じゅうというよりは「商店街の活性化」というレベルなのだと思います。
UFOフェスティバルの時だけにぎわう
その、UFO博物館の周りの店ですが、以前(2006年)に来たときは閑散としており、10件近くあるエイリアングッズを売っているみやげ物屋も、半分ぐらいが営業していませんでした。
しかし、今回はちょうどUFOフェスティバルの時期とあって、みやげ物屋も全部営業しているし、すごい人出です。下の写真で違いがわかるでしょうか。
(写真で木立に隠れている看板のあたりがUFO博物館です。)
以前来た時は、みやげ物もホコリをかぶっているものが多かったのですが、今回は新品も目立ちました。たぶん年一回この時期に仕入れて、あとはその残りを売っているのでしょう。
<2006年 普通の日>
<2011年UFOフェスティバル開催中>
みやげ物屋にはヤマのようなエイリアンが
そして、そのみやげ物屋には、それぞれヤマのようなエイリアングッズがあります。こんなのが10件くらいあるわけで、短時間ではとてもすべてを撮影する根性が出ないほどの圧倒的な量だというのが、なんとなくおわかりいただけるでしょうか。
おみやげの例
ならば、実際に買ってきたものをご紹介すればいいわけですが、みんなに配る前に写真を撮っておくのをうっかり忘れて、これは、おみやげの残りの自分用です。
真ん中の2つはちょっとしゃれたデザインの栓抜き。
飲み物物系も
ちなみに、おみやげには、食べ物や飲み物ももちろんあります。これはエイリアンワインとエイリアンビール
ALIEN ZONEはお勧め
さて、みやげ物屋といえば、さきほどのUFO博物館近くの写真のちょうど中央に看板の出ている「ALIEN ZONE」ですが、ロズウェルに行かれるなら、そして、あなたが特にUFOマニアではなく、単なるおもしろ好きなのだとしたら、UFO博物館よりもむしろこちらの方がお勧めです。
「ALIEN ZONE」中に「AREA51」という展示場があって、入場料は3ドル(2011.7月現在)。
ここでは、エイリアンの人形たちが日常生活を送っています。
これもとても全部とはいきませんが、少しだけご紹介して、この記事を終わることにしたいと思います。
ファミレスでくつろぐエイリアン
まあ、こういったセットがたくさんあるわけです。ちなみにみな等身大。
居間でくつろぐエイリアンたち
これは居間でくつろぐエイリアンたち。
バーベキューをするエイリアン
こちらは庭でバーベキューをしながら酒を飲むエイリアン。子供のようにも見えますが、エイリアンだと何歳までが飲酒不可かなんてわからないから、これでいいんでしょう。
和風エイリアン
これは何か日本風のエイリアンです。
すでにお気づきかもしれませんが、エイリアンの横には必ず隙間があって、エイリアンの横に立ったり座ったりできるようになっています。
つまりこの「AREA51」はエイリアンと一緒に記念写真を撮るための撮影スポットだったのです。
恐怖の手術台
日常生活だけではなく、こんな装置もあります。ここに寝そべって、エイリアンに手術されている写真を撮ってみたい方は、ロズウェルのALIEN ZONEへ。
JALのサイトで予約もできる
ロズウェルへの行き方ですが、今年JALとアメリカン航空が提携した関係で、なんとJALのサイトからも成田=ロズウェルの予約ができるようになりました。
どこかのサイトには「飛行機が飛んでいるかどうかもわからない」などとも書かれていましたが、ダラスフォートワース空港とロズウェル空港の間は、ほぼ1日4便飛んでいます。
ぐっと行きやすくなったロズウエルですが、市内には公共交通がほとんどなく、タクシーもほとんどありません。従って、免許があってレンタカーが借りられる人でないと、あまりお勧めはできません。私は車も免許もないので、その関係で今回は大変苦労しました。
私のような人は是非、免許のあるお友だちを誘ってご一緒にどうぞ。
<追記>夏祭りの終わりは花火大会
ちょうどこの記事を書き終えた頃、外でなにやら音がするので、ホテルの外に出てみると、ロズウェルUFOフェスティバル、最後のイベントの花火大会でした。
あわててカメラを取りに帰って、たまたまうまく撮れたのはこの写真だけでしたが、ちゃんとスターマインなどもあり、日本の花火大会と変わらなかったのにはびっくり。
「6尺玉」などというぐらいで、花火は和紙で作ったりするものですが、日本人観光客も他には見かけなかったロズウェルで、どうやって日本と同じ花火ができるのか不思議です。
技術は密かに世界中に広まっているのでしょうか。
それにしても、祭りの最後は花火。やっぱり、「ロズウェルUFOフェスティバル」は「ロズウェルという町の夏祭り」だったんだなぁ、とあらためて納得した次第です。
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コメント
息子が突然UFOに興味を持ち始め、ロズウエルへ行きたい(博物館)と言い出しこちらのサイトに出会いました。
ロズウエルの町の感じ、そしてJAL直行便の情報は大変参考になりました!
ありがとうございました(*^▽^*)
投稿: | 2013/11/02 13:47
匿名様
記事がお役に立てて嬉しいです。
検索すると、確かに「ロズウェル行くのが難しい」みたいな記事が出てくるんですよね。情報が古いのだろうと思いますが、ロズウェルに行く日本人が少ないので、古い情報も残ってしまうのでしょう。
あと、UFO博物館の説明とか内部の写真とかは、記事を書いた当時、UFO博物館のサイトの「ツアー」という所で館内の展示がネット上でほとんど見れてしまう、というのがあって、わざわざ書かなくてもいいかな、と思っていたのですが、今はこのリンクがなくなっているみたいですね。
その他、まだ出発前で、わからないことがありましたら、プロフィールにメールアドレスがありますので、ご連絡いただければお答えします。もちろんここのコメントでも結構です。
目篭版D.P.Z.は「だれも行った事のない所へ行って、その情報を読者(無償ですが)に届ける」という事が大きな目的ですので、実際に「役に立った」というコメントは大変嬉しいものです。ありがとうございました。
投稿: 目篭 | 2013/11/05 09:03
「スペースポートからロズウェルまで移動手段」という検索をいただきました。
スペースポートアメリカを訪れたのは、バージンギャラクティックの送迎バスだったのですが、宿泊はラス・クルーセスでした。
そして、ラスクルーセスから、ロズウェルまでは、グレイハウンドのバスで行けます。
上記の記事の中で「ロズウェルに行ったのは2度目」と書いていますが、実は1回目はまさにこの、ラスクルーセスからグレイハウンドで行ったのです。
確か1日2便くらいしかないので、時間には充分余裕を持って行動しないと置いてけぼりになってしまいますが、朝出て、ロズウェルに着いてからUFO博物館と周辺の土産物屋を巡って、夜にラス・クルーセスに戻るのは、朝が早いのが難点ですが、現地ではまずまずの時間はあります。
グレイハウンドのバスディーポからUFO博物館までは、30分くらい歩いたでしょうか。
記事にもあるように、ロズウェルには公共交通機関がないので歩くしかないですが、UFOフェスティバルの時以外ならUFO博物館周辺だけしか見る所はありませんから、これで充分でしょう。
ところで、検索だけされても、検索した人がもう一度この記事を見るかどうかわからないので、対応のしようがありません。
そもそも「ロズウェルとスペースポートアメリカ両方に行った日本人」なんて、居ても数人だと思うし、ネットにその両方の記事を書いているのは私ぐらいしか居ないと思います。
だったら、私に聞けばいいじゃないですか!
プロフィールにはメールアドレスも書いていますが、メールがイヤならコメントしてくれればいい。検索だけして「載ってねぇや」とか言って斜に構えるのではなく、聞けば済む話です。本当に面白い事は、一歩踏み込まなければ決して体験できませんよ。
ちなみにスペースポートアメリカの記事はこちらです。http://bit.ly/1So05Gb
投稿: 目篭 | 2015/07/16 09:17