韓国・麗水万博、3つの”推し”
韓国の麗水という所で万博が開催されている。万博は大好きだし、韓国はすぐ隣の国だ。これは行くしかない。
その麗水万博では、強烈に推してくるものが3つありました。その3つとは何か?。それは記事を読んでのお楽しみ。
ちなみに万博のテーマは「海(生きている海、息づく沿岸)」。お勧めパビリオンや裏情報も、ちょっぴりですがあります。
ヨニとスニがお出迎え
入り口を入ったところにいるのが、この万博のマスコット、ヨニとスニです。
麗水は韓国語で「ヨス」と読みます。麗が(ヨ)で水が(ス)、それでマスコットが「(ヨ)ニ」と「(ス)ニ」なんですが、日本人の感覚だと、女の子が「麗」で赤色、「水」は青色で男の子、だと思うのですが、韓国では「何でも男が先」という風習があるそうで、「麗」が青色の男の子(ヨニ)、「水」は赤色の女の子(スニ)になっています。
後ろにはエキスポ・デジタル・ギャラリーが
ヨニとスニの後ろの天井にあるのは、全長218m、幅30m、60インチテレビにしてなんと6324台分という、超巨大ディスプレイ「エキスポ・デジタル・ギャラリー」です。
ディスプレイなので、表示されているものは刻々変わります。
若干「力づく」みたいな気もしますが、今や液晶ディスプレイのシェア一位となった韓国の「どうだ、すごいだろう」感満載の設備ではあります。
エキスポ・デジタル・ギャラリーは夜がお勧め
さて、ガイドさんによれば、エキスポ・デジタル・ギャラリーは夜の方がきれいなのでお勧めとの事です。この写真は夜に撮ったものなので、前の写真と比べるとわかるでしょうか。
第一のお勧めパビリオンは「海洋ロボット館」
私が行ったパビリオンの中での一番のお勧めは、「海洋ロボット館」でした。
それでは、ここからしばらくは「海洋ロボット館」内の展示を見ていくことにしましょう。
さすが、わかってらっしゃる
何しろ、海洋ロボット館での一番最初の展示がこれです。もうこれで完全にやられました。女性型アンドロイドのEveR-4。いやこういう場合、「萌え」は大切な要素です。さすが、わかってらっしゃる。
ちゃんと動きます。
しかも、彼女、ちゃんと動きます。動画をどうぞ。
画像が小さくてわかりにくいかもしれませんが、ちゃんと表情も変わります。
かわいい、は正義!
以前、別の記事で日本の女性型アンドロイド HRP-03をご紹介したことがあります。
EveR-4は、このHRP-03の真似、といえばそうかもしれませんし、手の動きなどから見て、なんとなく技術的には日本のHRP-03の方が進んでいるような気もします。
でも、写真を比較していただければわかるのですが、一つだけ言えることは、このEveR-4の方がかわいい。かわいいは正義、です!。
HRP-03を作った日本の産総研には、そちらの方でもがんばっていただかないと、もしも「萌え」まで韓国に抜かれたら、それこそ大変なことになってしまいます。
他にもいろいろなロボットが
海洋ロボット館には、この他にも順番に、サッカーをするロボット(写真右上)だとか、音楽にあわせて踊るロボットたち(写真下)だとか、いろいろなロボットの実演があるのですが、この手のものは日本もよく見かけるので、ちょっと省略して、メイン展示へ急ぎましょう。
メイン展示は巨大ロボット
メイン展示の主役は巨大ロボットです。前にいる子供と比べてみると大きさがわかるでしょうか。
海底で働くロボットたちの物語
メイン展示は、海中で働くロボットたちの物語のCG映像です。映像には展示されているのと同じロボットが出てきて活躍します。映像はなかなかの迫力で、映像に合わせて展示ロボットも動いたりします。
最後は魚ロボット
そして、海洋ロボット館最後の展示は魚ロボット。大きな水槽の中に10匹ほど泳いでいたでしょうか。
1匹200万円するそうです。
こちらは取り出して見たところ。なんでも一匹、日本円で200万円ぐらいするそうです。
ロボットは「海洋ロボット館」だけではありません
ロボットは、「海洋ロボット館」だけでなく会場のあちこちにいます。ガイドさんによれば「韓国人はロボットが好き」なんだそうで、まず、第一の”推し”は「ロボット」でした。
写真は巨大な木のロボットなのですが、なんとこれも動きます。
木のロボットはパレードの先頭に
立ち上がって歩き出した後は、この木のロボットを先頭にパレードが続くのでした。
現代(HYUNDAI)のロボット
さて、こちらは自動車でおなじみの現代(HYUNDAI)のロボットです。2体あるのは、青色の方がHYUNDAI(現代)赤色の方がKIA(起亜)という同社の2つの自動車ブランドを表しています。
なのですが、このロボット、何か少しヘンです。
実は、「ロボジー」方式で...。
動画を見ていただくとわかるのですが、これは日本の映画「ロボジー」みたいに、中に人が入っている、スーツアクションなのでした。
海洋ロボット館で、本当のロボットたちの動きを見た後だとちょっとびっくりしてしまいますよね。
炎天下、会場内を引き回される
さらにびっくりすることは、この2体のロボット(?)イベントを会場内のいろいろなところで行うので、台車に載せられて炎天下をあちこち移動しているのです。
いや、確かにロボットならばそれはごく普通だと思いますが、ロボットだという位置づけで、微動だにせず運ばれている、中のスーツアクターさんはいったいどうなるのか。
なんだかものすごく過酷な労働条件です。
ロボットついでに次の”推し”
ロボットついでに、第二の”推し”の話もしてしまいましょう。それは「顔」なんですが、海洋ロボット館にいたこのロボット、なんかミョーな顔だと思いませんか?
この顔が推してくる
これが、海洋ロボット館での、その顔ロボットの全体展示風景だったのですが、どうも、韓国の人はこういう顔が好きらしい。
会場メインストリートのど真ん中にも
実は、この手の顔が会場のド真ん中にもあるんです。会場の中心、最初にご紹介したエキスポ・デジタル・ギャラリーの丁度ど真ん中に、写真のような巨大な像があってですね。
近づいてみると....
近づいて見るとこんな像なのですが、更にその顔を見ると..。
こんな顔なのです。
いや、どうも。万博のメインストリートのど真ん中に、巨大な像で、この顔ですから。
なんというか、美意識というか、価値観というか、国が変われば、何かがビミューに違うものだと、実感した次第です。
混雑情報など
今回、あまりあちこちのパビリオンには行けなかったので、待ち時間情報・混雑情報が少なくて申し訳ないですが、少しだけ紹介すると、麗水万博は、他の万博より時間帯による混雑の差が激しいような気がします。写真は海洋文明館ですが、朝9:00過ぎには見学者が誰もおらず、客引きをやってました。
ところが昼過ぎには...
ところが昼過ぎにはこんな感じに混んでいました。あと、夕方はまたガラ空き。
なので、たぶんですが、混みそうな所はできるだけ午前中早くか夕方に回るようにして、日中は国際館などの比較的混まないパビリオンを狙うのが良いのではないかと思います。
ちなみに、私のお勧めの「海洋ロボット館」は朝の10:30頃に行って、1時間45分待ちでしたが、帰りの日にもう一度行こうと思って、朝9:30過ぎに行ったところ、3時間待ちと言われてあきらめました。
帰りの日はK-POPのイベントがあるとかで大変混んでいたのですが、このように、曜日やイベントのあるなしなどによってもずいぶん混み方に変動があるのが麗水万博です。
海洋文明館の展示
さてその海洋文明館は、過去から未来までの、人類の海への挑戦がテーマで、いろいろな展示があるのですが、ここでは第三の"推し"、「模型」に関連する展示を。
これと、この次の写真は「海中移動住宅」。潜水艦のような格好をしていますが、中が住宅になっていて人はそこに住んでいる、という発想です。
キャンピングカーみたいなものですが、海の中なので、どこかに留めておく必要がないところが違います。いつまでも海の中で生活していけるわけですね。
で、この展示、スクリーンに映し出されるCG映像はすばらしいのですが、
ステージのど真ん中には模型が
ステージのど真ん中には模型が陣取っていて、CGの内容に合わせて回ったり、扉が開いたりするのですが、この模型が、いわゆる「建築模型」みたいでリアリティがないのです。
日本の特撮ファンの中にはCGを嫌って、模型や着ぐるみによる特撮を信奉する人たちがいますが、そこで語られる「模型(ミニチュア)」とは「いかに本物らしく見せるか」という為に作られたものです。
ところが、この展示の模型は、写真の机や椅子などが特にそうですが、建築模型などでよくある「そこに何があるか」ということを示す為のミニチュア、を使っているわけです。
後ろのCGはすばらしいのに
海洋文明館の次の展示もそうです。これは海中都市を表したものですが、これもCG映像はすばらしい出来なのに、スクリーンの後ろで動いている模型(水中シーンではスクリーンが半透明になり海の中の雰囲気を出している)や、クライマックスになると中央に下りてくる海中都市の模型(写真の左下)が、完全に「建築模型」なので、ショボい、というかしらけてしまいます。
ちょっと拡大
何を言っているか、いまいちわかりにくいかもしれませんので、ちょっと拡大してみます。会場が暗いのとライティングのせいで画像がぼんやりするので、写真は逆に良い感じに写ってしまうのですが、なんとなくわかっていただけるでしょうか。
ロッテ館の例
麗水万博では、この手の「模型」がとても多いのです。
これはロッテ館の気球の模型ですが、乗っている人を見ると、よくある「人体模型」なんですよね。こういうところ、普通リアリティのある「人形」とかにしませんか?
ロッテ館は気球での冒険がメイン
ただ、この模型は説明のために出したもので、ロッテ館のメインはこの模型ではなく、「気球に乗って冒険をする」というアトラクションです。
結構な迫力です。
内容はこんな感じで、空と海と海の中(!)を駆け巡る気球からの風景は、映像に合わせて床が動くこともあって、結構な迫力です。万博ではよくあるアトラクションと言ってしまえばそれまでですが、体験したことのない方には面白いと思います。
入って最初に児童劇みたいのをしばらくやるのですが、それを見て「つまらない」と思って出ちゃう人がいるそうですが、間違わないように。メインはその後です。
なお、ロッテ館も、私はたまたま平日の朝行ったのですぐ入れましたが、昼にはやはり並んでいたようです。
お勧めのサムソン館
ついでに、ショーと映像がお勧めのパビリオンをもう一つご紹介。
サムソン館は、映像とアクロバットの合わせ技。体育館みたいな広いフロアーいっぱいに映像が投影され、その中でワイヤーワークなどを駆使したダンサーたちが踊ります。特に、氷が割れていって、呑み込まれるシーンは圧巻。
ちょっとブレていますがそのシーン
フラッシュをたかない限り写真はOKなのですが、私のカメラは距離を測るのに赤い光が出るようで、途中で係員に止められました。(前の写真でも向こう側で光っていますね)光の出る所を押さえて撮ればいいのですが、多分そのせいでしブレています。
500人一度に入れるので
サムソン館の良いところは、一回の公演に500人入れるので、列の消化が早く、あまり長い時間待たずに入れることです。「公演は45分毎なので、運がよければすぐ入れるし、最大待っても45分」とガイドさんは言ってました。私の場合15分くらいだったでしょうか。
もちろん、500人以上待っていたらそうは行きませんが、前述の「海洋ロボット館」など、混むパビリオンは一回の入場が20~30人単位なので混むのです。
写真は、ちょうど、次の公演になって、並んでいた人たちが中に入るところ。ところで、この待ち行列の場所に並んでいる台、なんだかわかるでしょうか。
実は携帯の充電器
そうです。実はこれ、携帯の充電器付きの台。待っている間、携帯を充電したり、電池切れを心配することなく携帯を見ていることができるのです。さすがサムソン、というわけですが、プラグの種類は1つしかないみたいでした。多分、サムソンの携帯だけ、ということなのでしょう。
そして、ビッグオー
そして、万博の夜を飾るのが、これ、麗水万博最大の呼び物、ビッグオーです。
この記事トップの写真の左側に昼間の様子が写っていますので、大きさがわかるでしょうか。ビッグオーは、水のスクリーンに映し出される映像(上の写真)と、炎(この下の写真)と、水(更にその下の写真)のショーが一つの巨大なマシンで次々と演出されます。
ほんの少しウラワザ
写真は、炎の演出の一部です。
ビッグオーは、午後6:00の段階で、観覧席はもう一杯との事でした。
しかし、遠くからにはなりますが、実は午後9:00から、韓国館の屋上が開放されるので、私たちはそこから見ました。開演は午後9:30からになります。
この韓国館の屋上、前の方は座らなければいけないのですが、座ってしまうと、屋上の柵が邪魔になって、写真が撮れません。そこで仕方なく後ろで立って撮影したのですが、三脚の設置はOKなので、写真やビデオで撮影をする場合は、高さの高い三脚を持っていく事をお勧めします。
でも、やはり近くで見るのが良いと思います。
しかし、迫力という面では、ビッグオーはやはり近くで見るのがベストだろうと思います。
何時から待てばよいか、という情報をしっかり取って来れなくて申し訳ないのですが、もし、ビッグオーをメインで見たいのなら、やはりウラワザではなく、早くから正面の観覧席に陣取るのが良いのではないかと思います。写真は水の演出の一部。
科学技術はすばらしいが、見せ方は...
さて、私が見て回った麗水万博で、"推し"てくるものとは、
・ロボット
・(ミョーな)顔
・(建築模型みたいな)模型
でした。
ちなみに私が行った中でのお勧めパビリオンをおさらいしておくと、
1.海洋ロボット館
2.サムソン館
3.ロッテ館
です。
液晶や半導体など、今やいろいろな技術分野で日本を追い抜きつつある韓国。その韓国で開かれた麗水万博は、以前の記事でご紹介した中国・上海万博とは違って、技術レベルでは確かに、万博としての期待に違わないものだったように思います。
ただ、ここでご紹介したように、その「見せ方」については、いまいちビミョーなところもありました。
日本も、技術力が最も優れていた高度成長時代は真面目すぎて面白くなく、成長が鈍化して、人間が不真面目になったあたりからエンターテイメントが進化したように思います。
そういう意味では、今の韓国は一番真面目で、がんばっている時期なのかもしれません。
※写真はフランス館にあった海洋研究施設の模型。アクリルで囲まれた部分が海中に沈んでいる部分。同じ模型でもさすがフランスの作る模型は素敵です。ヨーロッパも衰退してからずいぶん経ちますが、フランス人の芸術性は多分そういうこととは関係がないでしょう。
万博の詳細は公式HPで
うっかり書き忘れるところでしたが、麗水万博の情報は、下記公式HPをご覧ください。(日本語です)
会期は8月12日までですので、行こうと思った方はお早めに。
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コメント
こんにちは。
突然のコメント失礼します。
私は、韓国旅行ポータルサイトハイコリアの推薦ブログ担当の者です。
このブログの記事を拝見させて頂いたのですが、韓国旅行の情報としてとても良く、参考になる記事なので当社の推薦ブログにあげさせて頂きたく思い、コメント致しました。
こんにちは。
突然のコメント失礼します。
私は、韓国旅行ポータルサイトハイコリアの推薦ブログ担当の者です。
このブログの記事を拝見させて頂いたのですが、韓国旅行の情報としてとても良く、参考になる記事なので当社の推薦ブログにあげさせて頂きたく思い、コメント致しました。
当社サイトのURLはこちら http://www.hikorea.jp/ になります。
この記事を添付させて頂いたぺージは http://www.hikorea.jp/tour/ieyk12 です。
もし、ご不便がある場合はこちら social@hikorea.jp のメールアドレスまでご連絡下さい。
投稿: ハイコリア | 2012/06/29 18:46
ハイコリア
推薦ブログ担当者様
目篭です。お褒めいただき、またご紹介いただいてありがとうございます。
写真のきれいな、すてきなサイトですね。
目篭の、韓国の記事としては、他に、
「済州島(チェジュ島)潜水艦4つ乗り比べ」
http://mekago.cocolog-nifty.com/dpzannex/2009/02/post-c321.html
というのもありますので、よろしくお願いいたします。
(なお、リンクがおかしかったようなので、手直ししました。)
※読者の皆様へ
「目篭版D.P.Z(別館)」は2年ほど前から世界編に突入しておりまして、韓国だけではなく、南米アマゾンや米国ロズウェルなど、いろんなところに行っています。どうかよろしく。
投稿: 目篭 | 2012/06/30 23:39
黒田さんツアーの2日の夜に麗水の食堂で少しご一緒しました。
もうあれから、1か月経ちますね。
エキスポでは、アクア館、韓国館、スカイタワーに見学しました。
スカイタワーでは、お土産にマグカップが貰えて、嬉しかったです。
わたしは、1時間半から2時間は並びました。
サムソン館にも行きたかったのですが、行列みて、気力喪失、断念しました。
しかし、500人も入場できるとは、、、そんなに待たずに行けたんですね、、残念。
麗水では宇宙関係を周られたんですですよね?
又、そちらも更新してください。
他の麗水をみたいです。
投稿: み | 2012/07/08 11:51
み さんコメントありがとうございます。
スカイタワーは一度に20人しか入れないので効率が悪いからやめたほうがいいと言われました。
記事が長くなっても何なので、その事は書こうかどうか迷っていたのですが、代わりに書いていただいて助かりました。
宇宙関係はちょっと事情があって、書くのは多分3ケ月後くらいになります。申し訳ありませんが、しばらくお待ちください。
投稿: 目篭 | 2012/07/13 22:15
全然ロボットじゃなくて笑いました。
投稿: | 2014/09/19 06:16
匿名さん、
コメントありがとうございます。
コメントに気がつかず、RES遅れてすみません。
恐らく、HYUNDAI(現代)とKIA(起亜)のロボットもどきのお話ですね。
日本で考えると、トヨタが本物のロボットを出している所へ日産がスーツアクターでデモ...なんて事は絶対ありえないですが、その辺が微妙に価値観の違うところで、実際に現地に行かないと体験できない「異文化」だと思います。
「現代自動車」も今や世界有数の自動車メーカーですからね。
投稿: 目篭 | 2014/10/23 13:57