韓国・羅老宇宙センターで見たものは
羅老3号ロケットで韓国初の人工衛星打ち上げに挑戦する、羅老宇宙センター。
いったいどんな所なのか。日本人はほとんど訪れないお隣の国の宇宙センター、韓国・羅老宇宙センターのレポートです。なんとあの、名古屋の金鯱号や日本家屋も登場。
(2012.06.10に取材した記事です)
そもそも、どこにあるのか
韓国で実質唯一の宇宙基地である「羅老宇宙センター」ですが、まず、どこにあるかも知られていないと思います。
場所は地図の赤印の所ですが、朝鮮半島のほぼ南の端。釜山からもかなり西に行ったところにあります。
このあたりは日本人がほとんど行かないところで、ガイドブックをいくら探しても書いてありません。
しかし、今年韓国で開催された万博、「麗水万博」の「麗水」からは、わりと近くです。そこで、麗水万博を見学した時に「羅老宇宙センター」も訪れていたのですが、今回、羅老3号ロケットの人工衛星への3度目の挑戦を記念して、記事も大公開!というわけです。
なので、記事は今回書きましたが、取材は2012年6月のものです。ご容赦ください。
まずは宇宙科学館から
「羅老宇宙センター」の施設で、一番最初にあるのが「宇宙科学館」です。日本でも種子島や筑波などの宇宙センターにはそれぞれ同様の施設がありますが、韓国の宇宙センターは実質ここしかないので、日本のそれらを一箇所に集めたぐらいの規模があります。
庭にはロケットが
庭には韓国ロケットの実物大模型があります。一番大きいのが今回衛星打ち上げに挑戦する羅老号(KSLV-1)全長33m。小さい方は左から順番にKSR-1、KSR-2、KSR-3。 KSL-1~3は過去に打上げに成功している観測ロケットです。
エントランスも立派
ロケットの方から歩いていくと科学技術館の入口に着くのですが、そこまでの道に四角いものが埋まっています。この写真の背中側が宇宙科学館の入口。あと、この写真の左側に写っているパラボラみたいなものにも注目しておいてください。
四角いものは
四角いものは、宇宙の大きさを表す展示でした。最初は地球の絵(一辺が10の7乗メートル)から始まって、だんだん縮尺が小さくなり、最後が銀河系(一辺が10の20乗メートル)になっています。
写真はちょうど真ん中で、木星の軌道がギリギリ入っています(一辺が10の12乗メートル)
パラボラアンテナみたいなものは
2つ前の写真でロケットの隣にあったパラボラアンテナみたいなものは、実は音の実験をする装置でした。遠くでも、パラボラが音を集めるので、まるで耳元でささやいているように聞こえます。
絵的に、ロケットにはパラボラが欲しいところですが、教育用の実験装置を組み合わせて、うまく表現しています。
この他にも、庭には、日時計とか、太陽電池とか、電子基準点とか、たくさんのものがありますが、紹介しているとそれだけで終わってしまうので、先を急ぎましょう。
宇宙科学館の正面
これが宇宙科学館の正面。先ほどのロケットからまっすぐに歩いてきた先にあります。
豪華なのがわかると思いますが、これで驚いてはいけません。
左側はなんと4Dドームシアター
宇宙科学館の左側はなんとドームシアターになっているのです。
日本の種子島や内之浦でもそうですが、宇宙センターは普通、人里離れた場所に建設されます。もちろんこの羅老宇宙センターも例外ではなく、車で山道を延々と走ってやっとたどり着くのですが、なんとそこに3D(実際には「4D」と言っています)ドームシアターが!
時間の関係で見れなかったのですが、宇宙関係を中心とした全天周や3Dの映像を上映していて、ちゃんとチケットカウンターで予約も必要です。
右側です
ついでながら、これは右側。ホールとか売店のあるところです。
受付では日本語のレシーバも
受付では、展示のところにある番号を押すと日本語の解説が聞けるレシーバーを貸してくれます。なので、韓国語が全くダメでも、とにかくここまでたどりついて、「ジャパニーズ」とか「ニッポンジン!」とかわめけば、後はなんとかなるわけです。
解説は、科学技術館のガイドさんが付いて回ってくれるのを選ぶこともできます。私は麗水万博から引き続き日本語の通訳の方と一緒でしたので、そちらを選びました。
韓国のゆるキャラと可愛いお嬢さんと
で、案内してくださったのが、このお嬢さん。コンパニオンかと思ったら、そうではなくて、宇宙関係を専攻して韓国全土から選抜された、KARI(日本のJAXAに相当する韓国の宇宙機関)の研究者とのことです。JAXAも負けずに、かわいいお嬢さんをたくさん採用してほしいものですね。
これはなんだと思いますか
さて、このコーナーでは、床にいくつか丸いものがならんでいて、中には太陽系の惑星や月などの写真の上に足型が。一体これはなんでしょう。
惑星上での自分の重さがわかります
この足型の上に乗ると、その惑星や月の上に立った時の自分の重さがわかります。
各惑星での重力の違いが実感できるというわけです。ちなみに写真は「月」。乗っているのは日本語通訳の方(科学館のガイドのお嬢さんではありません)なので、月の重力が地球の何分の一だったかは、ここでは内緒にしておきます(^^)/。
宇宙科学を体験できる実験器具がたくさん
この他にも、宇宙科学館の中には、宇宙のいろいろな法則を実感できる装置がたくさんあります。
たとえば気圧の話では、写真は、空気を抜くと馬で引いても外れない、おなじみマグデブルグの半球ですが、実際に空気を抜いて試してみることができます。この他にも「1気圧の重さの棒」がいろいろな素材で作ってあったりします。
これまた全部紹介するといつまでたっても終わらないので、先を急ぎます。
韓国に降った隕石とか
実験装置だけではなく、展示もあります。これは韓国各地に降った隕石を集めたもの。
この部屋が面白い
さて、最近モデルロケットにハマっている私にとって一番面白かったのが、この部屋です。ここには韓国の宇宙技術を示す、KSR-3をはじめとしたロケットの部品などが展示してあります。
日本語通訳の方から「麗水万博を見ていた時より、よっぽど興奮している」と言われてしまいました。
写真中央左に大きく見えるのは、確認漏れですが、エンジンを開発し終わったところで計画が終わってしまった、伝説の30t級エンジンかもしれません。(KSR-3のエンジンにしては上の部分が大きすぎるので。)
※この項と次の項は、ご指摘があったので訂正しました。
タンクとか
これは燃料などのタンク。左端はヘリウムのタンクです。
KSR-3は「ガス押し式」と言って、燃料を吹き出すのにヘリウムガスの力を使うのですが、それは右側の形のタンクに入っており、左端はKSLV-1(羅老号)で使われているのと同様の、各種制御に使うヘリウムタンクのようです。
姿勢制御装置とか
中央と右側が姿勢制御系の装置、左側の茶色いのは、軌道がそれた時などに、ロケットの機体を爆破するための爆破装置です。
バルブとかいろいろ
こちらは、エンジンに燃料を送り込むためのバルブとか、他にも左側の通信系の装置とか右側のパイプ類とか、これもキリがないので例によって先へ進みます。
一階の最後はまたKSLVー1の模型
1階の最後の展示は、また大きなKSLV-1(羅老号)の模型です。2階まで吹き抜けになっているのですが、距離があまりに近いので写真に全部が入り切りません。壁面には世界中のロケットが同じ縮尺で描かれた絵が飾ってあります。
カウントダウンが終わってゼロになると...
この模型、ボタンを押すとカウントダウンが始まるのですが、それが「0000]になると、音響とともにロケット部分が写真のように上にあがって、現れたスクリーンに発射の映像が流れます。
動画で撮影しなかったのがちょっと残念。
2階は人工衛星などの展示
2階は、韓国の人工衛星と、韓国からもイ・ソヨンさんが滞在した国際宇宙ステーション(ISS)関係などの展示です。
写真は人工衛星STSAT-2。KSLV-1(羅老号)ロケット1号と2号で、韓国初の自国ロケットによる衛星打上げを目指しましたが、残念ながら2回とも失敗してしまいました。
このため、今回の羅老3号では、搭載する衛星はSTSATのように各種の観測設備などを積んだ実用的なものではなく、人工衛星の成否を判断するための通信設備のみを積んだ衛星となったとのことです。
アリラン2号
こちらは、今も地球の周りを回っている韓国の人工衛星、アリラン2号(KOMPSAT-2)の展示。
アリラン2号は地球資源観測衛星で、ロシアのロケットで打上げられましたが、この次の衛星であるアリラン3号は、日本のHIIAロケットで、種子島から打ち上げられました。
このように衛星自身はすでに実績があるわけですが、自国のロケットで衛星を打ち上げるのは、(成功すれば)今回の羅老3号が最初というわけです。
国際宇宙ステーション(ISS)関係の展示も
2階には、他にも、KITSAT-1(韓国初の人工衛星)などの衛星や、なぜかNASAのスペースローバーの模型、国際宇宙ステーションの内部を模した展示など、いろいろありますが、これも例によって先を急ぎます。
写真はイ・ソヨンさんも食べたという韓国宇宙食の展示。ビビンバが韓国航空会社の機内食に採用されるという話でも有名です。
宇宙科学館以外の施設には入れません
さて、宇宙科学館の建物から向かって左側の道は、ロケット打上げ関係の施設やロケット発射場(射点)に続いているのですが、検問があり、残念ながら一般観光客はこれ以上先に進めません。ではどうするか。
観光船があります
羅老宇宙センターのある羅老島(島といっても橋と道路で陸続きになっていますが)の宇宙センターのちょうど反対側に港があり、そこから観光船が出ています。
ちなみに、この船は日本の松島の観光船だったとのこと。中古を引き取って使っているそうです。
この観光船で羅老宇宙センターの施設を海から見ることができます。
どういう施設があるか
では、どういう施設があるのか、宇宙科学館にあった模型で説明します。
宇宙科学館の方から行くと、ロケット打ち上げの指示などを行う総合司令棟、次に通信施設や宿泊施設があって、ロケットを組み立てるロケット組立施設があり、最後にロケットが実際に発射される発射場(射点)があります。
しかし、観光船は、航路の関係で、この逆、射点の方から廻っていきます。
いきなり射点
と、いうわけで、しばらく観光船に乗っていると、イキナリ射点が姿を現します。
取材したのが6月だったので、羅老3号ロケットの姿はまだありませんが、写真の3本の避雷針の間にロケットの本体が設置されて打ち上げられます。
一番射点に寄った所
観光船が一番射点に寄った時の写真です。避雷針は同じ高さですので、ロケットが設置されてない時だということもありますが、かなり近くまで寄ることができたのがわかるでしょうか。
射点の全景
船が少し離れると、付帯設備を含めた射点の全景が見れます。
ロケット組立施設
これがロケット組立施設。先ほどの模型で、ロケット組立施設の前に、小さな船着場がありましたが、羅老号(KSLV-1)の第一段はロシア製なので、ロシアからソウルの空港に着いたあと、船でその船着場まで運ばれます。
その後、このロケット組立施設で、韓国製の第二段ロケットや人工衛星との組立を行うわけです。
パラボラ
途中の山腹にあるパラボラ。おそらくロケットとの通信を行うための施設だと思われます。
宿泊施設など
関係者やゲストのための宿泊施設。宇宙センターは辺鄙な場所にあるので、このような施設は必須。左側の山の上にあるのが総合指令棟、右の上にあるのが通信施設です。
総合指令棟
総合指令棟を拡大したもの。ちょっとわかりにくいですが、写真左側のひさしのついている側面は全面ガラス貼りになっていて、ちょうど射点の真正面になります。
打ち上げが大変見やすい位置で、海外からのVIPなどに評判が良いそうです。
総合指令棟(逆側)
これは、前の写真のちょうど裏側から総合指令棟を撮った所。船が廻っていくので、逆側も撮れるわけです。
そして宇宙科学館
そして最後は、大変楽しませてもらった宇宙科学館です。海から見た全景。
観光船はこのあと、来た道を戻るのではなく、島を大きく、ぐるっと回って元の港に戻ります。
名古屋の金鯱号がここに
私たちが乗った船ではなかったのですが、なんと、観光船には名古屋港の観光船だった「金鯱号」もありました。
私は、この船の他に、まだ名古屋で現役で活躍している「金鯱号」があると勘違いしていたので、それほど興味がなかったのですが、後で、名古屋どころか、残っている「金鯱号」は、まさにここにあるこの一隻だけだと知り、それならもっと写真とか撮っておくんだったと残念に思っています。
実は日本と縁の深い土地
私たちが乗った観光船も日本の中古でしたが、実はこの港のある町は、もともと日本人の漁師村があった所だそうです。
写真は、今では最後の一軒になってしまった、残っている当時の日本家屋。屋根が瓦なのがわかるでしょうか。
最後の日本家屋(内部)
今は中の人が引っ越してしまって空家だということでしたが、ガラス越しに撮影してみると、確かに柱やふすまなど、ごく普通の日本家屋です。
セブン-イレブンも
もともとの日本家屋は、先ほどのものが最後ですが、新しく建て替える時に、従来あったのと同じ日本様式を取り入れることはあるそうです。このセブンイレブンも屋根が瓦だったりします。
このように、日本と縁のある土地柄だからでしょうか。「わざわざ日本から見に来た」ということで、観光船の会社の社長さんが大変喜んでくれ、天候が悪く船が出ないところを出してくれたり、「今度、羅老3号の打上げの時に来るのなら..」ということで、実は特別なポイントから打上げを見学できるような手配もしてくれることもなっていました。
私も是非行きたかったのですが、当時はまさかこんな国際情勢になるとは夢にも思わず、仕事の関係もあって、会社の許可が降りそうもないので諦めました。
日本人には滅多とないチャンスだったのに、残念でなりません。
一般の人はどこから見るか
もし、そのようなことがなかったとしたら、普通の人はどこから打ち上げを見るかというと、Google map で見て射点から9kmくらい離れた海岸から見ることになります。
その海岸にも行ってみましたが、この写真は、35mmカメラで300mm相当の望遠いっぱいで撮った写真(トリミングなし)ですが、矢印の部分にあるのが発射管制棟。
ずいぶん遠いのがわかると思いますが、さらに射点自身は島の影になるので、打ち上がるまではロケットの全景は見えません。
この海岸のもう一つ隣の海岸には、羅老3号打上げに合わせて、見物するための展望ビルができているはずですが、地図で見る限り、見学条件はこの海岸とほとんど変わりません。
種子島でも、穴場はいろいろあるかもしれませんが、ごく普通にの人が見る見学場所は射点から8Kmくらい離れた場所が多いようですから、そういう意味では似たようなものかもしれません。
<蛇足>北朝鮮と韓国のロケット
今年の3月に北朝鮮が、人工衛星の打ち上げを目指したロケットを東倉里(トンチャンリ)から打ち上げましたが、これを日本のマスコミはこぞって「北朝鮮による人工衛星と称するミサイル」と書き立てました。
(たとえそうであっても「北朝鮮による人工衛星打上げのためのロケット、と称するミサイル」というのが文章としては正しい、という指摘は少し置いて)
たまたま、今回の取材の関係で韓国のロケットをウォッチしていた私からすると、今までに北朝鮮が打った他のミサイルはともかく、この3月に打ったのは間違いなく、「人工衛星打上げのためのロケット」だと思います。
それは、なぜか。北朝鮮の立場で考えればすぐわかることです。
今年の10月には韓国の羅老3号が3度目の人工衛星打上げにチャレンジすることはかなり前から分かっていました。しかも、今度こそは成功する可能性が高い。
ところで、元は中国やソ連の技術かもしれませんが、北朝鮮は、一応国産技術になっている「テポドン」などのミサイルを何回も打ち上げていることから、今回1段目がまるまるロシアのロケットである韓国よりは、宇宙技術を持っているのは間違いないでしょう。
もともとは同じ民族である韓国が、それも自分たちより宇宙技術の劣っていると思われる韓国が「先に人工衛星を打ち上げた」などということになったら、北朝鮮の技術者にとっては絶対面白くないことに間違いありません。
意地でも韓国より先に人工衛星を打ち上げたいと思うのは、当たり前ではないかと思うのです。
普段、ミサイルを打っている「舞水端里(ムスダンリ)」ではなく、「東倉里(トンチャンリ)」から打ったのも、それを裏付けています。
ロケットは舞水端里(ムスダンリ)からだと東に、東倉里(トンチャンリ)からだと、南に打つことになります。
「南打ち」は地球の公転に逆らうので、東に打つより高度な制御技術が必要になります。
普段、(失礼な話ですが)日本など気にせず、東に打っている北朝鮮が、敢えて難しい「南打ち」を選んだ理由は、韓国が日本を気にして(というかそれが当たり前ですが)「南打ち」しかできないからです。
「南打ちだから、韓国の方が技術力がある」と言われるのもイヤだったに違いありません。
白地図がなかったのですが、いい図をネットで見つけました。
他の方の図なので、ここに貼ることができません。リンク先を参照してください。
赤い線が北朝鮮のロケットの軌道で、紫の線は韓国羅老号の軌道を書いたと思われます。基地の場所の関係で多少ズレていますがほとんど同じ軌道を描くのがわかると思います。
ところで、北朝鮮のこのロケットが飛んだ時、「ひょっとして落ちてきたら危ないから」という理由で、沖縄への修学旅行を取りやめた学校が多かったと聞きます。
そういう意味では、この図のように、羅老号の方がもっと「沖縄本島を直撃」です。
韓国の羅老3号を「韓国が人工衛星打ち上げと称するミサイル」と呼ぶ人はいないと思うし、今回の韓国の打ち上げで、修学旅行を取りやめる学校はないと思います。でも、失敗して頭の上から物が落ちてくる可能性は、軌道的にはむしろ韓国の羅老号の方が危ないことになります。
北朝鮮に味方するつもりは毛頭ありませんし、もちろん韓国を非難するつもりもありませんが、宇宙開発の発展のために、マスコミには是非、常に客観的な報道を願いたいところです。
自分の立場や人間関係とは関係なく、常に真実を!。それが科学というものなのですから。
<蛇足その2>北朝鮮人工衛星の打ち上げ成功
2012年12月12日 日本のマスコミがミサイルと称する、北朝鮮初の人工衛星打ち上げが成功しました。
自分たちが「ミサイル」か「人工衛星」か、というおかしな二者択一を定義したのですから(以前書きましたが、正しく言うなら「ミサイル」か「人工衛星打ち上げ用ロケット」か、です)「人工衛星」だったとすれば「ミサイル」ではないはずです。
しかし、これまで「ミサイル」「ミサイル」と言ってきた手前、日本のマスコミは、自分たちの間違いを訂正したくないばかりに、なんと、「北朝鮮の人工衛星打ち上げ成功」を報道しないことにしたようです。
私は、北朝鮮が正しいことをしているとは思えないし、安保理決議に違反していることは悪いことだと思います。
しかし、それはそれとして、人工衛星が成功し、地球の周りを回っているのは事実であるわけで、「自分が誤りを認めたくないから」「間違ったことを言ったということになると恥ずかしいから」という理由で、「人工衛星打ち上げ成功を報道しない」というのは大変な問題であると思います。
「自分の命に代えても真実を報道する」というのが、かつてのマスコミだったはずですが、いまや「自分の利益のためには、事実なんてどうでもいい」というのが日本のマスコミの実態というわけです。
ちなみに、羅老3号で人工衛星打ち上げを競っていた韓国(中央日報)でさえ、次のような正しい報道をしています。
米国航空宇宙司令部「北朝鮮ロケットの軌道進入、成功したと推定」
<追記>羅老宇宙センターへの行き方
羅老宇宙センターへの行き方について、お問い合わせ(というか検索)があったので、取り急ぎまとめておきます。
私自身は、麗水万博とセットで旅行会社にお願いしたので、麗水から旅行会社手配の車で行きました。結構時間はかかりました。2時間ぐらい?だったかな。なお、麗水へはソウル空港経由で麗水空港。
旅行会社は「三進トラベルサービス」でした。
これだけではあまり役に立たないかもしれないので、調べたり聞いたりしたことをメモして置きます。
以下は自分の実体験ではないので、あくまで参考程度に。
・鉄道で行かれるなら、麗水ではなく、順天で降りる方が近いです、KTX全羅線。麗水万博の時は特急だか急行だかが麗水まであったのですが、今はどうなんでしょう。順天で降りるのは、ガイドさんも勧めていました。そこからは、後述のバスか、タクシーをチャーターでしょうか。韓国のタクシーは安いので。
・順天からも、釜山からも、ソウルからも「高興バスターミナル」という所まで高速バスがあるようです。そこからもう2回バスを乗り継ぐと着くようですが、その次のバスセンターの名前がわからない。ハングルは一文字もわからない上、韓国語翻訳を持っていなくてGoogle翻訳だけなので、この「日本語に翻訳すると『あたし』になる韓国語」の読みと漢字がわかりません。以下はKARIの羅老宇宙センターアクセスの所を一部翻訳したものです。
○高速バス利用編
ソウルセントラルシティーバスターミナル(湖南線)
セントラルシティーバスターミナル(湖南線)→高興バスターミナル→あたしバスターミナル→羅老宇宙センターの宇宙科学館到着
○航空利用編
ソウル出発
金浦空港→麗水空港→順天バスターミナル→高興バスターミナル→あたしバスターミナル→羅老宇宙センターの宇宙科学館到着
後は似たようなものなので省略。あと、遊覧船の乗り場は宇宙科学館からみて島の反対側なのですが、情報ないので、写真見せてタクシーででも行っていただくしかないです。すみません。
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コメント
韓国のKSLVー1ナロロケット、大変面白い内容です、昔、乗船した金鯱号が韓国にあるにはびっくりですhttp://www.b14643.de/Spacerockets_1/Rest_World/KSLV/KSLV-1/Gallery/KSLV.htm
日本の子供たちは、火薬で飛行するHー2Aのモデルロケットの打ち上げが好きです
投稿: 白内障予備軍 | 2012/10/27 14:32
白内障予備軍様、コメントありがとうございます。
船マニアの方で「金鯱号は今、韓国の羅老島にある」ということをご存知の方も、逆にその島に韓国の宇宙基地があることをご存知ないようですね。
そう言われてみると中国や韓国の人みたいですが、目篭(ハンドル名)は先祖代々生粋の日本人ですよ。
私の打っているモデルロケットは、ページ左下の「こんなこともやってます」の「のしろケットちゃん3D化計画」をクリックしていただくと、いろいろやってますので、よろしくです。
投稿: 目篭 | 2012/10/27 19:12
11月29日の羅老3号打ち上げ、上段(韓国側)の異常で、発射直前に延期になりました。
再打ち上げ、2013年1月30日と決定。
打ち上げ予定時間午後3時55分~7時30分
予備日は31日から2月8日まで
ソース、今度は日本語版も多数。たとえばこれ。
http://japanese.joins.com/article/747/166747.html?servcode=300§code=330
投稿: 目篭 | 2012/11/29 18:23
2013年1月30日、羅老3号は無事人工衛星の打ち上げに成功しました。おめでとうございます。
目篭も現地で打ち上げを見ていましたが、あろうことか撮影に失敗してしまいました。期待されていた方には本当に申し訳ありませんでした。
投稿: 目篭 | 2013/02/02 07:17