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2014/04/11

2万円で大学生になる

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 皆さんは、もう一度大学生に戻りたいと思ったことはないだろうか。私はこの4月から現にそれをしている。
 入学金+授業料でたったの2万円。入学試験もない。もちろん文部科学省認可の正式な大学だ。
 しかもその2万円も、安いどころか場合によっては逆に儲かっておつりがくることもある。
 大学なので当たり前といえば当たり前だが、入学式はあるし、クラブもある。聞くところによれば修学旅行や文化祭もあるそうだ。
 そして、これも当然と言えば当然だが、すべてが働きながらでも参加できるよう考慮されている。

 いや、実際入ってみるまで、こんな面白い所だとは思いませんでした。なのでさっそくご紹介です。

 

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それは放送大学

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 どうせネタバレするので、最初に言ってしまうと、それは「放送大学」です。
 放送大学の授業はBS放送やインターネットで行われるので、学校に通う必要がありません。なので働きながらでも学生でいることが可能です。
 と、いう所までは知っている人も多いと思うのですが、実はこの放送大学、全国57ヶ所に「学習センター」があり、この学習センターで主に土日に各種の行事やクラブ活動などが行われているのです。(写真は「放送大学兵庫学習センター」。記事冒頭の写真も同じ)

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2万円は「選科履修生」

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 放送大学「選科履修生」の場合、入学金が9,000円、最低1科目は受講しなければいけないので、1科目の受講料が11,000円、合計2万円で大学生になれます。入学試験はありません。申し込むだけです。

 「選科履修生」の期間は1年間ですが、何回でも続けることができるので、20年間も選科履修生でいる方にもお会いしました。「卒業すると大学に通えなくなってしまうので、ずっと選科履修生にしているんです」との事。

 「本科履修生」との主な違いは「卒業」することができるかどうかですので、すでにどこかの大学を卒業している人にとっては、特に大きな違いはありません。

 「選科履修生」というのは、普通の大学の「聴講生」みたいな扱いかと思っていたのですが、実際、放送大学で大学生活を楽しむ限りでは、「本科履修生」との間に扱いの差は全くないようです。

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 入学式がある

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 というわけで、2万円払っただけなのに、ちゃんと入学式があります。

 残念ながら選科履修生は「卒業」はできませんが、「卒業式」には参加できます。
 なぜかというと、「入学式」と「卒業式」が一緒に行われるからです。
 普通、卒業式には「在校生」も参加して「送辞」などを読むわけですが、働いている人が多い放送大学では、わざわざ在校生がそのために出てくるとは思えません。
 そこで「新入生」が在校生の代わり、というわけなのですが、西も東もわからない新入生から、卒業生に言葉を送るわけにもいきませんから、なんと、この卒業式&入学式では、「卒業生」から「新入生」へ、一言ずつアドバイスの言葉が送られるのでした。

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卒業証書授与

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 青木兵庫学習センター所長に許諾をいただきましたので、卒業証書授与の様子を一枚。

 放送大学では、2度目の学生生活を楽しんでいる人も多いのですが、一方で卒業を目指している全科生の方も、もちろん多いです。

 放送大学は入試はありませんが、後述するように内容は非常にレベルが高く、卒業するのは難しいというアメリカ方式なので、卒業された方には心からの敬意を表します。

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修学旅行や文化祭も

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 卒業式が終わると、新入生へのオリエンテーションが行われます。
 それによれば、(大学なのでもちろんですが)修学旅行や文化祭もあるそうです。もちろん選科履修生も参加可能。
 ただし、修学旅行(学生研修旅行)は人数枠が限られており、申し込んでも、なかなか参加できないとの事。

  ちなみに、さすがにティーンエイジャーらしき人は見かけませんでしたが、放送大学では認定心理士や、看護関連の資格も取れるので、20代、30代らしき女性は結構見かけました。これも「学生時代」には大切なことかもしれません。

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クラブもあります

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 卒業式&入学式では、混声合唱部「うたごえ」による効果の斉唱がありました。
そう、大学なので、ちゃんとクラブ活動があるんです。

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C言語研究会に

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 兵庫学習センターには20近くのクラブがありますが、私は「C言語研究会」に入ることにしました。まあ、なんか怪しげでオタクっぽいクラブが性に合っているわけです。

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2万円は返って来るどころか、50万円儲かる事も

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 入学金+授業料の2万円はかなり安いですが、更に冒頭で少し述べたとおり、そのお金も、場合によっては元が取れて、更に儲かることになります。

 世の中には学生に適用される「アカデミック・ディスカウント」という料金がありまして、一番顕著な例が、コンピュータのソフトです。

 PhotoshopやIllusutratorなどが含まれている、AdobeのCreativeCroudという製品は、普通なら月額4,980円なのですが、学生・教職員個人版というのがあって、これは月額1,980円(注)。一応1年間だけですが、選科履修生も1年間なので、これの差額を計算すると、3000円×12ヶ月ですから36,000円の差となって、2万円の元が取れた上、更に1万6千円も儲かる勘定です。

 何かウラワザのように思われる方もいるかもしれませんが、Adobeの「学生・教職員個人版」には「放送大学を含む」と明記されているので、これは正規の行為です。私も実際に今、月額1980円で使っています。

 (注)月額1980円はキャンペーン期間中の価格だったようで、現在は価格が改定されているようです。ご注意ください。私は1980円で使っていますが。 

 更にもっとすごいのは、3DCG関係のMayaや3dsMAXと言われるソフトです。
これらのソフトは買うと50万円くらいするのですが、なんと学生は「タダ」。
 こちらも、当該の大学で学生としてのメールアドレスを持っていればOKで、放送大学は学生にアドレスを発行していますので、該当します。

 と、いうわけで、もしこれらのソフトを使おうと思っている人にとっては、入学金や授業料など、余裕で戻ってきます。

 なお、入学式やクラブなどはすべて任意なので、ソフトを使いたいだけの人は、入学の申し込みをしてお金を払うだけです。入学試験はないし、講義は申し込みをする必要こそありますが、単位を取る必要がなければ受講する必要もありません。 

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「学割」はどうか

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 「アカデミックディスカウント」って「学割」じゃないの?と思った方、鋭いですが、残念ながら、鉄道会社の「学割」は放送大学にはほとんど適用されません。
 なぜなら「放送大学」は「通う必要のない大学」だからです。
 ただし、他の地方の学習センターに行って受講する時など、特殊な場合は手続きをするとJRの割引が使える事があります。

 とはいえ、「学生証」は何しろ本物ですから、いろいな所で「学生証」を見せれば割引になる可能性はあります。実際にやってみました。写真の入場料は大人は700円ですが、学生証を見せて500円の学生料金になりました。

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試したのは通天閣

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 前述の「学生証」で200円割引になったのは通天閣でした。
 このへんの扱いは各施設によりさまざまで、所によっては「社会人学生を除く」などとなっている所もあるので、常に学生証を携帯していて、学生料金のある所では「とりあえず出してみて、ダメモト」という感じで試す方がいいでしょう。

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 実は授業の内容は難しい(が、面白い)

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 放送大学の選科生になろうと思ったきっかけは、実は学生に戻りたいからではなくて、ある日TV(BS)をつけたら、面白そうな講義をやっていて、まあ、そのまま番組だけを聴くことも出来たのですが、せっかくなら正式に申し込んで聴こう、と思ったからです。

 で、実際に申し込んでみたら、入学式はあるし、クラブはあるしですっかりハマってしまったというわけで。

 ところで、肝心の講義の方ですが、これがはっきり言って、すごくレベルが高くて大変です。1回の講義は45分ですが、これを勉強するのに今の所少なくとも丸一日はかかっています。1科目だったからいいようなものの、卒業を目指している全科履修生の方は5科目も6科目も取るわけですから、いったいどうやってこなしているのか想像もつきません。

 でも、今の所続けられているのは、「講義の内容自身が面白いから」です。
 先生の教え方がうまいとか、ましてやギャクが面白いとかいうことではなく、本当に内容自身が面白いのです。

 たとえば、私の取った「認知神経科学」は、簡単に言うと「人間の中身はどういうシステムになっていて、どういう仕組みで物を認識したり考えたりしているか」に関する事です。人間の脳は意外とメカニックで、脳の中で本当に「電気」のパルスが走っていたり、その配線があったりします。
ね?難しいけど面白そうでしょ?

 私の取った講義だけではなく、卒業式&入学式の後の懇親会で聞いたところでは、他の講義もやはり同じように「難しいが、内容が面白いので続けられる」ということでした。

 私は、これが本当の「学問」だと思います。就職のためでなく、卒業する必要のない大学においてこそ、本当の学問の面白さがわかるのではないでしょうか。

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