« ボスサットが目指したもの(暫定版) | トップページ | サーバルロケット・ボスサットと920MHz通信の展示を行いました »

2017年9月11日 (月)

能代でサーバルロケットとボスサットを打上げる

Top

 3年ぶりに能代宇宙イベントに参加しました。今回のネタはアニメ「けものフレンズ」。
 「サーバルロケット」から「ボスサット」を放出しました。「ボスサット」から撮った能代宇宙イベント会場の映像もあります。

 「サーバルロケット」と「ボスサット」は大成功でしたが、そのほかにもいろいろやろうとして間に合わなかったり失敗したりしたものもあります。さすが「けものフレンズ」、どったんばったん大騒ぎ、だったわけです。

Ten_line

サーバルロケットです

Servalrocket_3

 で、これがサーバルロケットです。アニメ「けものフレンズ」の主人公、サーバルキャットのサーバルちゃんです。
 実はもともと今回は、キャラクターロケットがメインではなく、放出するサット(ボスサット)の中の通信機能が打上げのメイン、の筈でした。(これについては、別記事『ボスサットが目指したもの』に書くつもりで、まだ書けていませんが)
 結果的にそれが間に合わず、メインがこのサーバルロケットになってしまったわけですが、そういった経緯で手間をかける時間がなく、キャラクターロケットとしては、いろいろと未完成な所があります。
 たとえば、サーバルって「髪の毛が横に広がっている」のが特徴ですが、これが表現できていません。実は方法はわかっていて、つまり「顔を小さくすればいい」のです。これはわかっていたにもかかわらず、調整する時間がありませんでした。
  「ま、かわいいからいいか」と言って許していただけるといいのですが。

Ten_line_2

 サーバルのウエストは異様に細い

Waist

 とはいえ、うまくいった部分もあります。サーバルって、信じられないほどウェストが細くておしりが大きいんです。これは、アニメじゃなくて、モデルになったサーバルキャットという動物がびっくりするほどそうだからなのですが、「筒」であるロケットでこれをどう表現するか。
 これは、ウエストを真横から見て、無理やり手の前の方に持ってきて、間を空の色(バックグラウンドカラーのつもり)で塗っています。これは比較的うまくいったのではないかと思っています。本当にサーバルのウェストとヒップってこんな感じなんです。あと足の太さも。

Ten_line_3

ボスサット

Boss_2

 ボスサットで本来どういうことをしたかったかは主に別記事に任せるとして、ここでは実際に飛んだボスサットの機能について書いておきます。前についているカメラは、本来Raspberry Piのカメラが付くはずでしたが、別記事の通りシステム全体が間に合わなかった為、あわてて神戸高校の授業の時にAlphaIIIに載せたカメラをそのまま付けています。このために、3Dモデルを強引に書き換えたりしています。
 更に、急につけたカメラなので、スイッチを外へ出すことが出来ない。能代では、丘の上の準備所でスイッチを入れてから、ボスサット内部に組み込み、本体をネジ止めして射点に持っていって、打って回収するまで、電源が入りっぱなしです。しかも、充電設備がないので、電源は前日夜にホテルで充電したままという、これまた過酷な条件でした。

Ten_line_2

GPS

Gps

  ボスサットには、カメラの他に、GPSとブザーを積んでいます。
GPSも元々は秋月電子のGPS受信機キットを積む予定だったのが(以下略)。
なので、急遽、「能代」のサットである「イー58(ゴーヤ)」に積む予定のauの「あんしんGPS(写真)」をひっぺがして積みました。
 2014年に「能代」を打ち上げた時に使おうとしたのは SoftBankの「みまもりGPS」でしたが、能代ではSoftBankの電波が届かず、断念しました。
 それで今回はauにしたのですが、SoftBankの「みまもりGPS」は、GPS受信機のデータと似たような情報が取れるので、auも同じかと思っていたら、なんと、わかるのは本当に「地図の上の位置」しかなくて、その地図もauアプリ上で示され、数値情報はありませんでした。そういう違いがあると気づいたのも直前の事で、高度取得の代替手段なども対処する暇がありませんでした。

Ten_line

打上げです



 というわけで、いよいよサーバルロケット、打上げです。音声を聞いていると、打ちあがった途端に、見ていた人が「ジャンプ力ぅ...ですかねぇ?」と、しんざきおにいさんになるのが面白いです。(わからない人はすみませんがアニメの第一話を見てください)

Ten_line_2

飛行中の写真

Photo

 以下2枚の写真はCミッキーさんからいただきました。ありがとうございます。

 なお、現場でサーバルロケットかボスサットの写真を撮られた方、
  メール:mekagoあっとまーくmbp.nifty.com
                        (”あっとまーく”は@です)
 まで送っていただけると大変助かります。よろしくお願いいたします。
 なお、ブログ掲載可否、可の場合表示名(ハンドル名等)もあわせてご連絡ください。

Ten_line_3

分離の写真

Photo_2

サーバルロケットとボスサットの分離です。

Ten_line_4

ボスサットからの画像

Syatenkaizyou

ボスサットからの映像をいくつか紹介します(動画は最後に)
上は、モデルロケット射点から、はるかにメイン会場を望む画像です。

Uchiagezyunbisyo

 これは打上げ準備所のあるあたりの画像

Mainkaizyou_2

 そしてこれはメイン会場の様子です。
 実は、2013年に「のしろサットちゃん(デフォルメタイプ)」を打上げ(放出)した時に、カメラの方向が真横だったために、ほとんど雲しか映っていなかった、という事があり、2014年に「イー58(ゴーヤ)」を打上げ(放出)した時には、今度はカメラを真下に向けたら、画角が狭すぎて、ほとんど直下しか映っていなかった、というのがあって、今度のボスサットでは、30度ぐらい下に傾けておくようにしたので、やっと能代宇宙イベント会場全体が撮れるようになりました。そういう意味では、4年越しの成功映像ということになります。

Ten_line_5

ボスサットからの映像(動画)
馴れていない方は、目が回るかもしれませんので、あらかじめご注意ください。
ハードウェアの進化のおかげで、3年前に比べて、かなりきれいな映像です。
ちょっとぐるぐる回るものの、能代宇宙イベントの会場全体がわかるのではないでしょうか。
音声は、メイン会場での出し物の説明を拾っているので、映像とは合っていません。

Ten_line_6

サーバルロケットとボスサットは大成功
 サーバルロケットとボスサットは、打ち上げ、分離とも成功、両方とも視界内に着地し、自分で拾いに行くことができたので、回収も含め大成功でした。

 また、今回やろうとしていた「920MHz実験機」としては間に合わなかったものの、2014
年時点で懸案だった「能代宇宙イベント会場全体の撮影」と「GPSユニットによる場所の確認」はどちらも成功しており、2014年のリベンジとしてはこれまた大成功と言えます。
 (注)サーバルロケットとボスサットのお話はここまでなので、ネガティブな話を読みたくない方はここでやめても結構ですよ
 と、これでやめておけば万事めでたしめでたしだったのですが、何しろエンジンを3本注文していたので、3本打たなければいけない。と思ってあと2発打ったのが失敗でした。 
 
Ten_line_7
能代は「改」にならず

Noshiro_2

 「能代」は2014年に打ったものと同じ機体です。艦これの「能代」です。(詳しくは記事『能代宇宙イベントで艦これ「能代」を打ち上げる』をお読みください。

 実は、これも上記記事にある修正を加えた能代「改」にする予定、中に積んでいるサットである「イー58(ゴーヤ)」も、同じく記事中にあるようにキャラクターサットとしての出来が悪いので作りなおす予定のところ、例の件で時間がなくなり、結局2014年そのままの機体で飛ばすことになりました。

 更に悪いことには、「能代」のノーズコーンは「イー58(ゴーヤ)」を格納するために、内側を少し削っているのですが、なんと間違えて、削っていない方のノーズコーンを持ってきてしまった。仕方がないので、まさに現地で内側を削ったのですが、力を入れて削った関係で、外側の塗装がはがれてしまった。上記の写真で、頭のところは光の反射ではなくて塗装がはげているんです。ごめんね、能代。

 さらに、この「能代」と「イー58(ゴーヤ)」、全くあらぬ方向に飛んでしまい、回収は、東京農工大ライタスの方と、日本モデルロケット協会の水間さんに大変お世話になってしまいました。本当に申し訳ない限りです。ありがとうございました。

Ten_line_8

新しい「のしろサットちゃん」も載せる事ができず

Noshimodelrocket

 もう一本は、これまた2014年と同じ「のしモデルロケットちゃんV3」なんですが、これも、本当は、新しい「のしろサットちゃん」(リアルタイプ)を載せる予定でしたが、同様に例のトラブルの対応で時間がなく、こちらは載せる物がないので、なんと「ボスサット」をもう一回積んで打っています。しかも、この時のボスサットの映像は、さすがに朝ホテルで充電したきりだったので、電池切れをおこし、取得できていませんでした。

 そして、本体の回収は引き続き東京農工大ライタスの方に、ボスサットの回収はものつくり大学の方にしていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 実は私は左足が少し不自由なので、そんな身体でそもそも打上げを行うのは、皆さんに迷惑をかけているだけではないのか、また、今年は、地区の連合自治会の理事や、母の入院など、余裕のない中で無理して参加したことで、皆さんに迷惑をかけてしまったのではないか、などいろいろと考えてしまうところがあり、記事のUPが遅くなりました。
 まだ自分なりの結論は出せていませんが、とりあえず報告だけはしておこうと思い、中途半端ですが、ここにUPしておきます。

 ご迷惑をかけた皆様には申し訳ありませんでした。またお手伝いいただいた方、能代宇宙イベントの運営にかかわっている皆様方、本当にありがとうございました。

緒元

 (3機とも同じ)

  機体 Initiator改

  エンジン G40-4W

  到達高度(推定)約400m

 搭載物

   サーバルロケット -> ボスサット

    カメラ SQ8:超小型カメラ
    au:あんしんGPS、24Vブザー

   能代 -> イ-58

        カメラ LuLu LAB(部品のみ流用)
     :今回未使用

    au:あんしんGPS、24Vブザー

   のしモデルロケットちゃんV3  ->ボスサット

    カメラ SQ8:超小型カメラ、24Vブザー

                         以上

|

« ボスサットが目指したもの(暫定版) | トップページ | サーバルロケット・ボスサットと920MHz通信の展示を行いました »

モデルロケット全般」カテゴリの記事

能代宇宙イベント」カテゴリの記事

けものフレンズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 能代でサーバルロケットとボスサットを打上げる:

« ボスサットが目指したもの(暫定版) | トップページ | サーバルロケット・ボスサットと920MHz通信の展示を行いました »